KIN-IRO MOSAIC Festa ギャラクシティ 西新井文化ホール

きんいろモザイク」という作品は、とても儚い物語だと思う。
アリスという少女が日本にやってくることから物語は始まる。しかし、そのアリスの来日の理由は、彼女の心の中の「しのが好き」という思いから「でしか」ない。忍が好きな理由も、幼少時代のほんの短い期間の忍のホームステイだ。
そんなとても「小さい」出来事の中に少女たちの想いが詰まっていて、その想いだけを頼りに物語世界が形作られている。そんな、とても頼りない、儚い世界。しかし、それゆえにこの世界は、モザイクのように儚くもこんなにもきんいろに輝いているのだろう。
アニメも、少女たちの賑やかで華やかな学生生活が描かれ、基本的にギャグが強めで楽しめる作品であるにも関わらず、少女たちの行動の一つ一つがとても愛おしく感じさせられる、実に魅力的な作品だった。
そして、そのイベント。作品に対する想い入れ強く、とても期待して昼夜共に参加。考えてみれば、あの凶悪なイベントACEで唯一当たったステージがこのきんモザのステージであり、主演のRhodanthe*達の誕生の瞬間を目撃していた訳だし、彼女たちへの思い入れも深い。
いや、とても良いイベントだった。基本的にはRhodanthe*達のトークが中心。最後に3曲+1のライブをやって、それで3時間を超える。正にRhodanthe*のイベントであり、だからこそのきんモザそのものの世界がステージ上に再現されている。このメンバーによる他愛の無いトークだからこそ、きんモザ世界が再現されるというファンにとって極上の時間を堪能させてもらった。
最初、キャストが登場するが、全員がパジャマ姿で、舞台も忍のベッドルームの設定だという。素晴らしいのが、全員のパジャマがイベントビジュアルのデザインそのまんまなこと。わざわざ作ったらしい。
そして、パジャマでベッドに腰掛けての作品についてのトークだったのだけれども、基本的にはキャスト同士の今だから話せる「ごめんなさい」話になり、全員で過去の出来事を語り合う普通のガールズトークに。結構ダークな本音話とかも飛び出したりして、この場でも互いの距離を縮めようとしている様子とか、互いの関係性が判ったりするのが嬉しい。キャストとキャラの性格は似たところも違うとこもあるのだろうけれども、この5人の関係の中では、どこかキャラに寄せようと意識しているところとかも透けて見えてくる。それくらい作品に対する想い入れを感じさせる。
ゲームコーナーでは大喜利的なもので、この手が好きな西明日香が張り切るも他のキャストからもかなり上手い回答が。ファンがキャラをどう見ているかとか、自分も作品のファンであるという自負が無いと書けない鋭いギャグを連発していて楽しかった。
生アテレココーナーでは選ばれた名シーンに生アテをするのだけれども、当然これはアドリブの応酬に。爆笑のコーナーとなっていた。
そして、舞台転換では、烏丸先生のナレーションにより、各メンバーを他のメンバーがどう考えているかというトークの紹介。これも互いの関係を知ることの出来るものだった。また、今までのイベントの舞台裏の映像なども流され、各メンバーがいちゃいちゃしている様子なども紹介。
・・・なんというか、ここまでくると「きんいろモザイク」という思い入れのある作品を愛でる感覚と、そのキャストを務めるRhodanthe*のメンバーの活動とその関係性を愛でる感覚がごっちゃになってくる。
もうこれは、このイベントは、Rhodanthe*という声優グループの「きんいろモザイク」だということを思い知らされる。
実際のところ、ライブで歌われた曲数では物足りなかった。発表されている楽曲はもっと沢山あるし、それを全て披露して欲しいという願いもあった。
けれども、なんだかここまでで、心は満たされてしまったw。このRhodanthe*のメンバーの関係性を沢山見られたこと、そこに「きんいもモザイク」を感じさせられたことが、何よりも嬉しいことだから。
そして、このイベントではアニメ続編の発表は無かった。彼女達Rhodanthe*の今後の活動も、今のところ確かなものは何もないというところだろう。それを受けてのメンバーの長い長いトーク。決して解散ではないけれども、これまでの活動がひと段落するということで、誰もが涙し、内なる思いを全て伝えるかのようなコメントを。それはもう感動的だった。
夜の部では、イベントスタッフが企画する願いを叶える雪を客席に降らせるというRhodanthe*に対するサプライズが発動したり。
けれども、願いを叶える雪を見せたのならば、彼女たちにとっての本当のサプライズは続編だろう。これだけ良い作品に成っているのだから、是非次の展開を期待したいものだ。