ラブライブ! μ's →NEXT LoveLive! 2014 〜ENDLESS PARADE〜 さいたまスーパーアリーナ

ついに、やっと、彼女たちのソロライブに参加出来る。本当に随分と時間が経ってしまったものだ。
ラブライブというコンテンツについては、何故だかめぐり合わせが悪く、今までまともに付き合えていない。アイドル物は大好きだからどんな企画でも気になるものだし、よりにもよって公野櫻子企画だという。マストコンテンツと認識しても良いくらいだ。
しかし、他の予定と被ったりして、結局彼女たちのパフォーマンスを体験することが出来たのは、電撃15年祭の時。その時の衝撃は忘れられない。
後ろのスクリーンに流れるPVと全く同じダンスをするメンバーたち。「これだよ!」と思い切り叫びそうになってしまうほどの衝撃だった。このパフォーマンスこそ、アイマスのファーストライブで後ろに無造作に流れるダンス映像を見て「これに実際のパフォーマンスをシンクロさせれば」と思いついた、長年にわたるアニメ系イベントにおける理想像の実現だった。その後、アイマス神が完コピダンスを披露したりして、その後ろに映像が無いのを悔やんだり。
しかし、やっとこうしてイベントに参加出来る。このパフォーマンスをフルで体験出来る。本当に長く待たされたものだ。
後ろに流れる映像と、その前で踊るメンバーたち。その二つのダンスがシンクロするとき、映像の中と外の世界もシンクロして、それを見る観客全員も映像世界に吸い込まれていく。そこに音ノ木坂学院が写っているのならば、それはその前で踊るμ'sメンバーと同じくこの会場に「実在」していると認識しても良いはずだ。
「ミューズ」が正に歌の女神として歌い踊るとき、虚構の世界が実在に転換していく。それは正に女神の行いというべきもの。それこそが、異世界に誘うというライブにおける究極の目的の実現だろう。
その他の趣向も凝っていた。キャラクター紹介から3DCGでカメラに映る観客の映像上にキャラクターが登場する。ソロ、デュエット系では観客席全体を使ってメンバーが登場する。かよちんのなわとびに至っては花道に9色の花が登場する、など。
しかし・・・、ここまで楽しませてもらうと、改めてラブライブという存在は何者なのだろうと考えてしまう。
彼女たちの「物語」は、多重構造過ぎる。誌面上の展開があり、PV上の展開があり、アニメ上の展開もある。さらにはキャストの成長と言う展開も存在する。マンガ展開とかもある。それらを全て交じり合わせると、共通の部分もあり、かけ離れている部分もある。何が本当で何が虚構か、何を本筋とすべきなのか。そこにはぼんやりとしたμ'sという存在しかなく、未だにその物語は掴みどころがない。
一つコンテンツにおいて、「物語」はとても重要だ。人が思い入れるのは「物語」であり、それこそが重要。どんなに素晴らしいコンテンツでも「物語」がずれてしまうと色あせてしまう事すらある。
おそらく、全ての多重構造を縒り合わせるのはやはりTVだろう。前回、最終回直前で急ブレーキをかけることによって未完の作品となったTVラブライブだけれども、それは今度こそ突き抜ける物語を求められてくるだろう。
μ'sのメンバーが、正に女神の如くより高みに向かっていくのかどうなのか。いまから4月からの放映が待ち遠しくて仕方が無い。より高みに達したラブライブのライブをまた一年後に体感したいものだ。

ラブライブ!Solo Live! collection Memorial BOX II

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