「アウトブレイク・カンパニー」スペシャルイベント〜おもひでもえもえ〜 山野ホール

もうそろそろ「販売BDにイベントチケット「購入」優先権を付けるよ商法」は、下火になるんじゃないかな。
声優イベント好きな者としては、アイドル声優を押すような作品はそのイベントも含めて楽しむべきものとして、その存在を強く肯定したいところ。けれども、ある程度の成果が出ないと、逆にあまり好ましくない事になる。
「付けるよ商法」が広く蔓延し、皆辟易していてあまり売れない。そうすれば結局イベントは開催するのだからチケットを余らせない為に一般発売も行わざるを得ない。その事実を知ればやはり皆イベント目当てでBDを買う者は減る、という負のスパイラル。
このこと自体は、作品を好きでBD買っている者が良いチケットを手に入れられるという点では悪い事では無いのだけれども、この商法で売上を当て込んでいた売り手には痛手となる。
受け手としては、作品を愛すべき作り手による作品を盛り上げるための開催なのだから、例え損益が出ようとも魅力的になるよう趣向を凝らしてくれるはずと思いたい。しかし、実際には当て込んでいたBDの売上が無いと、逆にイベントで収益を回収したくなるのではないか。それはつまり、イベント開催のコストをできるだけ抑えるという形でイベントの内容にも現れてくる。
・・・そんな事を考えざるを得ないイベントだったのは事実。
アイドル声優マニアとしては、このイベントを悪く言うことは出来ない。出演したキャストは花江夏樹三森すずこ渕上舞内田真礼上坂すみれと誰もが魅力的な人ばかり。その彼ら彼女らが、作品について語ってくれたり、趣向を凝らしたゲームをしたり、その過程で萌えワードを口走ってくれたりと、楽しいものだった。
けれども、作品の振り返りでは声優たちのフリートークに任せるままだし、ゲームも基本的に声優たちのアドリブによる萌えシチュエーションだったり。つまり、声優たちの技量に寄るところが大きく、イベントの手間が省かれているとしか思えない。
さらに、この手の構成では必ずある、原作者の手によるイベント書き下ろしの生ドラマとかも無かった。・・・原稿料かかるもんね。
こうなると、作品に寄っていくとっかかりが少ないので「アウトブレイクカンパニーのイベント」という意味そのものが薄れてしまうという、最も残念なことになる。
いや、だって、一応2時間弱のイベントだというのに、その間、声優たちがキャラの声でセリフをいうシチュエーションがほとんど無いんだよ。これはアニメ作品のイベントとしてあり得ざる大失態だ。
イベント最後には、OP・EDのライブがあった。これは、みもりんの主題歌は当然として、渕上舞が歌ってくれたのはかなり嬉しかった。伸ばすと良く響く心地よい声だし歌唱力もしっかりしているしで、感心した。ただ、そのライブについても折角出ているキャラソンがまるで歌われないのは残念。
やはり、作品自体が上手く軌道に乗らないと何事も駄目だよね、ということかな。