花澤香菜 live 2014 “25” NHKホール

この日より少し未来の5/6の日記の中で、寿美菜子のライブがアーティスト方向に純化していって寂しいと書いている。そういった点では、花澤香菜のアーティスト活動はよりアーティスティックな方向に進んでいるので、受け入れ難くなるはず…なのだけれども、実際にはそうはなっていない。
それは何故かと改めて考えたのだけれども、一つには花澤香菜の声質がやはり独特であり、そのアーティスティックな楽曲に全く飲み込まれていないということ。そしてもう一点が、やはり花澤香菜のセンスが声優的な部分に立ち位置を置いていて、歌の中に一個のキャラクターを認識することが出来ること。アーティスティックな感覚を与えつつ、キャラの温もりも見出せる。これは、花澤香菜が元々アーティスト系では無く文学系であるところから、独自の感性によりアーティストセンスを作り上げているからではないかと推測したりする。
ともあれ、花澤香菜のライブはアニオタの声フェチとして正に桃源郷。この歌声をより生に近い環境で味わいたい。彼女がライブ活動を続けてくれて、今回セカンドツアーをしてくれて本当にありがたかった。
今回のライブは新たなアルバムに合わせてのライブ。かなりの新曲をもって臨んだライブのはずなのだけれども、その楽曲に対して親密さ、浸透度が感じられて、とても素直に楽しむことが出来る。特に、花澤の作詞楽曲はより良い。それが彼女の声優的立ち位置と思える部分だろう。楽曲的にライブ映えする勢いのある曲が多く選曲されていたけれども、よりしっとり聴かせる曲もあって欲しかった。全編アコースティックライブとかして欲しいところ。
唯々この時間がすぐに過ぎてしまうのが惜しいという印象。彼女自身はアーティスト活動について意欲を見せてくれているので、次の機会は有りそうだ。それが今から待ち遠しい。