かと*ふく2nd LIVE 『with』 品川ステラボール

私がかと*ふくに注目したのは、その結成当時に開催されていた加藤英美里のソロライブにとても感銘を受けたから。やはり、アイドル声優の楽曲には一つの文脈というものがあると思う(ただそれを定義するのは結構難しい)のだが、えみりんは正にその文脈の王道を行くかのような楽曲を揃え、アイドル声優を体現するかのようなライブをしてくれていた。それは、よりアーティスティックなアーティスト声優が多くなる中で、鮮烈な印象を与えてくれた。正に「俺の求めているものはこれだ」と思えるものだった。
しかし、そのライブは加藤英美里のベストアルバムの発表に合わせたライブであり、詰まるところ、彼女にとっては自身のソロ活動の集大成的な意味合いだったらしい。その後のソロ活動は、ほとんど無いと言っても良いだろう。遅すぎた出会いだったという訳だ。
しかし、加藤英美里アイドル声優活動は続いている。それがこの「かと*ふく」。柊姉妹の繋がりもあるこの二人のユニットが活動してくれているというのは、私の中では、アイドル声優の大本道がこの中に息づいているというに等しい。最も貴重なものという認識を常に持ち続けていた。
しかし、そう言った認識を持った途端に都合が合わなくなったりするものw。前回の1stライブは参加出来ていなかった。
そして今回のライブも一時はプライベートな用事で参加できない状況だったのだけれども、なんとかたどり着いたり。本当ならばWUG共々楽しみたかったんだけれどもね。
かと*ふくという存在はアイドル声優の王道を行っていると思う。ということは、実際には現在の主流であるアーティスティックな要素を備えた万人受けするアニソンから少し外れているということにもなるだろう。彼女たちの楽曲がアニメタイアップのような桧舞台に取り上げられる機会の少ない理由だ。
しかし、改めて彼女たちの楽曲をライブで聞いてみると、どの楽曲もそのエネルギーたるや下手なタイアップアニソンより強いものがある。それは、正にアイドル声優の文脈をど真ん中で捉えているからだろう、その楽曲を受けてのファンの活き活きとした歓声がそれを証明していた。
既にアルバム二つを出して楽曲も揃っているのだけれども、前回との被りを避けたのだろうか、途中にトークパートを設けたりして、ある意味彼女達らしい構成のライブだったと言える。
ただ、これは勿体無いことではあるのだろう。どんなに現場が熱くても、それが外に発信されていかないと数が稼げない。えみりんのソロのようにいつか休止してしまう。この現場がこのままあり続けることを願うのと共に、何か新たな展開が出来ないものかという矛盾した事を考えてしまったり。ままならないものだ。