petit milady ファーストライブ「キュートでポップなトゥインクル戦士☆プチミレディ 〜ふたりはプチミレ〜」 TOKYO DOME CITY HALL

この日は当然のごとく他にも行きたい場所が沢山あったのだけれども、時間的に間に合うのはここだけであり、この二人を見られる機会としてはファーストライブとして大いに貴重であり、なんとか参加した。
プチミレディの登場はかなりの衝撃だった。悠木、竹達二人共にまだソロ活動を開始したばかり。ソロとしての活動を充実させるべき時だと思うのだけれども、その中でのユニット発表。最初は少し危惧したものだ。
しかし、考えてみるとこの方向性は決して間違ってはいないとも思う。アーティスト活動にはやはり「物語」が必要。特にアニソン系ではキャラクターが必須だ。その点、ソロの活動ではその物語、キャラが純粋にアーティスティックな方向に向かってしまいがちだが、ペアになるとそれは少し違ってくる。声優の二人の関係性は声優として保たれる。互いが互いを声優としてのキャラとして認めることになるから。アーティスト系に純化することは、それが本物でない限りかなり苦しいが、その点アニソン系におけるユニット結成は少し無理があっても利点は大いにあると言うことだろう。
実際のところ、この二人の組み合わせは実に面白い。理知的になりすぎるがファンサービスへの没入度に定評のあるあおちゃんと、のんびり屋で好き勝手なところもあるがオタクの親近感を感じさせるあやち。性格的に正反対ながらも共に魅力的なキャラを演じて人気は抜群、トランジスタグラマーという共通項もありカップリングしてみるとその魅力は相乗効果になっていると言えるだろう。
未だ、楽曲の少ないこのプチミレの初ライブ。一体どのようなものになるのかと思ったが、なんと、完全な物語仕立てで、ある意味ライブコンサートであることを捨てているかのような構成だった。楽曲的に少ないにも関わらず使わないものもあり、ソロで自身の楽曲を歌ったりすることもない。当然曲数は少なくなるのだけれども、それを埋めるのが魔法少女仕立ての物語。コンサートというよりもミュージカルイベント的な感じに仕上げている。
しかし、これもまた一つの正解だろう。先ほど言ったように、彼女たちのペアに求められていることはその声優としてのキャラクター性だとするのであれば、それを強めるようなこういったライブこそ正しいあり方と言える。二人のキャラ声そのものの歌声に合わせて、そのキャラどおりの物語が展開する。プチミレというキャラが存在する物語世界へ誘われ、その世界を堪能することができた。それはアーティスティックなライブコンサートにおける没入とは全くの別ものでありながら、同じくらいの没入度を感じさせてくれる。プチミレディーというユニットが、こういったかなり特殊なアプローチによって特異性を見せつけてくれたことは、とても嬉しい。やはり、アニソンシーンはこういった様々なアプロチーチができるからこその魅力的な世界だと思うから。
プチミレディーのこういった活動が評価されれば、他の刺激になったりすることもあるだろう。嬉しいとともに、非常に興味深いライブだった。今後の二人の活動にも期待したいものだ。