『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』Return Of “BLUE STEEL” 〜“蒼き鋼”帰港記念式典〜 舞浜アンフィシアター

アルペジオについては、個人的に乗り遅れた感が強い。やはり3DCGアニメに対する先入観から少し軽く見ていて、最初は若干否定的だった。けれども、3話を観終えた時くらいから一気にはまり込み、前期かなりのお気に入り作品と成っていた。
この作品は、近未来SFとかと思ってみてはダメ。主人公とその葛藤、それを取り巻く世界情勢なんて、単なるお飾り。メンタルモデルというとても純粋な精神を持つ存在が、その心の隙間を埋めていく過程を唯々愛おしく見守る作品だろう。
だから、以前行われたライブイベントについても、実はちょー行きたかったのだけれども、他の用事があって行けなかった。そのリベンジとしてかなりの思い入れを持って参加。昼夜共にチケット取ってしまう。
それだけに、最初の「乗り遅れ感」をここでも感じてしまう。最初のTridentライブは実に素晴らしいものだった。新曲まで全て歌ってくれたのは嬉しい限り。各ソロではキャラの映像が流れて作品を思い返すことが出来、物語世界に誘ってくれる。しかし、そこまで。他にもキャストがいるのだけれども、キャラソンライブはお預け。チケ代からも前回を上回るパフォーマンスを盛り込んでくれると期待してしまったのだけれども、それがもっとも期待するキャラソンに振られてないのはやはり残念だ。ライブの後のイベントの内容としては生ドラマにゲームコーナーという定型的なアニメイベントのパターン。乗り遅れたと思わざるを得ない。
生ドラマではほぼ公認の艦これのパロディとかもあり、キャラの魅力を引き出す楽しいものではあった。ただ、その後のゲームコーナーでは特に作品に関する内容でもなく。
このイベント、キャラソンが減じた事に加えて後二つ残念なことがあった。
一つは次の展開の情報管理が曖昧だったこと。テレビ番組で次の展開を暴露してしまっているのに、イベント内ではそれは基本的に無かったことになっている。キャストもその事について触れてよいのか駄目なのか曖昧なまま。それでは作品に対する想いなど語れようがないというものだろう。イベントにも当然イベント台本があり、その演出によってイベントの良し悪しが決まる。その点、このイベントのシナリオは大きな欠陥を抱えていたと言える。
そしてもう一つ残念なこと。主人公の声優がゲームコーナー中にメンタルモデルの声優達を邪険に扱ったこと。これはイベントを面白くさせる為ならば逆にありなのだけれども、他のキャストがフォローしても無視したりして、ただただMCを回すのが面倒になっていたように見えた。キャラとキャストの人格は別だから当然こういう事も起こりうるのだけれども、その行為自体が非道いもので、キャラのセリフを使って「艦長命令だ」とか黙らせたりすることは、単にキャラの冒涜でしかない。イベントにおいてその作品を冒涜される。それは例え無料イベントであっても出会いたくない最も残念な事だ。デリケートな部分だけに注意して欲しいところなのに。
こういう事が起こりうるとすれば、それはキャストの心が作品に乗っていないからではないか。そんな印象は拭えない。だから、キャストの作品に対する想いとかを聞けるシーンが欲しかったのだけれども、そういったコーナーも特に無く。帰港記念式典というイベント名でありながら、そういうところに時間を設けられないところからして、イベント構成の穴と言えるだろう。
結局、Tridentの爽やかな頑張りと生ドラマにおける声優達のプロ演技があったにも関わらず、それ以外はちぐはぐな印象のイベントだった。
猛省して欲しい所だよなあ。

Purest Blue

Purest Blue