NANA MIZUKI LIVE FLIGHT 2014 横浜スタジアム

最近の水樹奈々はその存在自体がとても大きいものだから、たとえ長期ツアーといえども関東近辺でやってくれるものは稀で、純粋に地方の方が多い。広く遍く生でライブを体験してもらう事こそツアーの本来の目的だろうからそれが正しいのだけれども、なかなか参加出来ないというのは少し寂しいものだ。
ということで今回の国内ファイナルにして最初で最後の参加となる。
最近の水樹奈々はタイアップが圧倒的に増え、それをメインに据えたアニオタとして見ても楽しいライブだったりするのだけれども、今回は少し違う感じ。
久しぶりのアルバム発表を受けてのツアー。そのアルバム自体がタイアップ曲がかなり少ない構成になっていて、それをメインに据えた上に、その他の楽曲でもかなり昔の曲が多く採用されている。後半に入って畳みかけるようにこれだけはやらなきゃというタイアップ曲を入れてきてはいたものの、全体的にタイアップ曲少なめで純粋に水樹奈々の楽曲世界を作り上げている感じがした。
なんだか、とても懐かしい感じにさせられる。
ただただ歌唱力と楽曲の良さだけを頼りに、ライブひとつやる毎に会場を広くしていった古き良き時代の水樹奈々を思い出させられる。
水樹奈々の楽曲は青春や恋愛を題材にしたりもするけれども、個人的には、彼女の歌声は茫漠とした荒野を強い意志を持って歩いているイメージだったりする。タイアップ曲は、そんな乾いた世界にある色のあるオアシス的な感じ。最近のライブは、そんなオアシスが当たり前のようにある平穏な楽園のイメージが強まっていたのだけれども、それが水樹奈々本来の魅力かと言えば決してそうでは無く。やはり水樹奈々には独自の色が有り、それはやはり自身の楽曲の中にこそあるということを、今回のライブで改めて思い出させてもらったような感じだ。
タイトルがフライトと言う事で空を飛ぶ演出にも磨きがかかり、横浜スタジアムという都会の中にも関わらず花火を打ち上げるという演出も有り、見ごたえのあるライブでもあった。
しかし、やはり水樹奈々の魅力はその尋常ならざる強い意志を秘めた歌声にある。そんなことを改めて感じさせてくれるライブだった。