アニメロサマーライブ2014 -ONENESS- 千秋楽 さいたまスーパーアリーナ

そして三日目。この日は、そのラインナップから最大戦力投入の日であることは明白。この三日間の中でも特に重要な日と言える。こちらも参加には最初から気合が入るというもの。
その注目のトップバッターは、 T.M.Revolution × 水樹奈々!!
知ってたよ。きっとこうなるということはw。このアニサマに向かう中で最も熱い存在はと言えば、これしかない。とは言え、そうであるべきと思いつつ度胆を抜かれて喜び狂うw。
次を任されたのはMay’n。彼女も既にアニソンフェスのトリを取れるほどの実力者。ヒューマンビートボクサーのDAICHIとのコラボから自分の世界に引き込んでいく。ただ、やはり彼女にはこの10周年では名刺代わりの歌シェリルが一曲くらい欲しかったところ。
で、そんな実力者の後を受けるのが碧ちゃん。いや、ここはサイリュウムは緑でしょう?w 彼女の能力も半端無い。アーティストとして、一つの世界を確立している。アイドル声優としてアーティストとして、両立させる一つの方法論としてこれは有りだと思う。
次はアフィリア・サーガ。彼女たちについては以前から知っていて、しかし安易な後追い企画に思えてそれほど快くは思っていなかったりしたのだけれども、今回、その思いは完全に払しょくした。いや、本当に凄い。その身体の作り込みが。全員が相当な鍛錬をしていることが一目で分かるような、引き締まった体をしていて感心させられた。もちろん、パフォーマンスも完璧。独特な世界観を楽しませてもらった。しかし、何か一つ仕掛けが足りないよなあ。このままでは爆発しない。彼女達の努力が、それに見合った成果に繋がることを願わずにはいられない気分。
そして、この日最大のお目当てである小倉唯の登場。彼女は多くを語らない。ただ、そこに存在して、キレのあるダンスをして、そして透きとおる様な声で歌う。・・・天使だね。こういった煌びやかなステージ上に現れると、その存在自体が奇跡的になる。陶然と見惚れてしまう。
そして、彼女が消えたと思ったら、こんどは2人になって登場。ゆいかおりだ。彼女達も決して多くを語らず、ただただ双子のように揃ったダンスをして、煌びやかな声で歌う。妖精か? このような存在がアニメ声優の主役やヒロインとして活躍していること自体が嬉しくなる。ゆいかおりはアニメタイアップ曲を持っていないけれども、この存在がアニメ界にいることを認識するためにも、このような場所に出て欲しいと思う。
次はこの日のトロッコの出番。なんとマモとゆかり姫が「ラブミーギミー」を歌いながら現れる。実はこの日の席はトロッコを見上げる場所だったので狂喜乱舞。ただ姫はこちらを見てくれず、マモと目を合わせてしまったよw。
そんな嬉しい誤算からの、期待以上の驚きが次の鈴木このみ。彼女は今アニソンアーティストの中で一番気にしている存在であり大いに期待していたのだけれども、そんなこちらの期待をさらに大きく超えるほどの凄いパフォーマンスを見せてくれて、驚愕の一言。彼女の代表曲のメドレーだったのだけれども、その全編のエネルギーが途轍もない事になっていて、SSAを熱狂の渦に叩き込む。なんだこれは。感覚的には今年の女性ソロアーティストの中で最も会場を盛り上げたと思ったくらい。これで彼女が株を大きく上げた事は確実。彼女はまだ若いのだけれども、今後積極的な活動に期待したいところだ。
その後は一転、いとうかなこがバラード系を歌い上げる。そして、このみんとのコラボも。そこでも大いに盛り上がる。
橋本仁もアーティストとして一流の存在だろう。しかし、逆に一流な人程このSSAの大舞台に立つ時には今までの想いがこもるものなのか、なにかを噛みしめて歌う感じに。そんな事を感じさせてくれるのもこのアニサマの醍醐味か。
前半のトリはLiSA。ある意味客盛り上げの天才。その全てを音楽に注ぎ込んでる感じが素晴らしい。しかし、この日イヤモニのトラブルで少し間が空く事態も。彼女の場合、何もかもを注ぎ込んでいる感じがするから、より深刻なトラブルを隠して続けているのではないかとか心配してしまったり。それでも、何も無かったかのように続けて会場を熱狂させる様は流石といえる。
後半からはプリキュアで開幕。それも嬉しい全シリーズを含んだ大メドレー。プリキュア曲は合いの手が多いから独特のコールになるんだよね。けど、何故だかプリキュアの歌はほぼ全曲入っているからw、大いに楽しませてもらう。実に煌びやかなステージだった。
そして、この日の観客の最大勢力が最も望んでいた瞬間であろうラブライブ。μ’sの登場。
もう、会場中が熱狂して、なにがなんだか状況が分からない。「それは僕たちの奇跡」はコールが揃わず、誰もが好き勝手に声援を送る。正に先の読めない暴風雨のような大声援で会場が大揺れ。次に彼女達の用意したのは特別な曲。それは…「スノハレ」。そのボジョンに立つメンバーを見ただけで歓声が上がる。そして今まで見た中でも最も美しい白→UOだった。この会場に居る誰もがこの瞬間を期待して、この場面を共有したいと思っていた事が分かる瞬間だった。ある意味ラブライバーよりもラブライブを愛している人たちが揃っているように思えた。そして最後の「No brand girls」でさらに大いに弾ける。アニサマが限界まで盛り上がった瞬間だっただろう。
で、熱狂醒めやらないところに、今度はオルドコが登場。これも別の方向で熱狂。途中、たっつんがいつもの様にステージから降りてしまい、トロッコ道を練り歩いたのだけれども、あれはやばかったなあ。女の子に紛れて熱狂している様子とか、カメラに写ってないかとヒヤヒヤだw。
そして終盤。これからは大御所級のアイドル達しか残っていない。マモは怪しげに登場して、男の色気たっぷりの踊りを見せつける。そして、やはり〆はうたプリで、大いに弾ける。
その次は、もう数字の人を除けば姫しか居ない。イントロが流れる前から会場はピンクに染まり始める。で、登場したのは、なんとmotsu。となると、あの曲しかない。これは凄かった。「You & Me」で会場全体から聞こえるラップコール。もうゆかり王国アニサマを完全に掌握していた。そして、小倉唯と対を成す「Fantastic future」でその奇跡のような存在としての貫禄を見せつけ、「秘密の扉から会いにきて」でのうりんで描かれたように当代アイドル声優のイコンとしての立場を見せつけた。
そして、最後は水樹奈々。彼女の今までのアニサマにおけるムービーが流れ、このアニサマにとっても特別な存在であることを改めて知らしめる。そして、その歌声でも格別の迫力で観客を魅了する。彼女が選んだ特別な曲は、なのはの最新曲。そして、奥井雅美を招き入れてのもう一つの特別な曲は、この二人でアニサマで最初に歌った曲「TRANSMIGRATION 」。正にこの曲からアニサマは始まったと思うと本当に感慨深い。
実際に思い返してみると、私がアニサマの初回に参加したのは、やはり水樹奈々を応援する為だった。アーティストの中で女性声優としてはただ一人。それを応援したかった。実際のところ、アニサマは彼女のようなアイドル声優、アーティスト声優の人気によって支えられていた部分は大きいだろう。アーティストにこだわって(というか人気声優が呼べなくて)続かなくなったアニソンフェスは他にいくつもある。しかし、そこから始まってアニメファンとアーティストとの距離が縮まり、ライブで聴くという流れも生まれたはず。だからこそ今のアニサマの盛況もある。
このあたり、アニソンライブ隆盛の歴史とか、アニソンアーティストと特撮ソングアーティストの関係性とか、それがアニサマにおいてどう化学反応を起こしていたとか、色々語りたいこともあるのだけれども、それを語り始めるときりがないのでやめておこう。
このアニサマ10周年は、今に至るアニソンシーンの歴史を思い返すという意味でも、とても貴重なものだった。本当に素晴らしい体験をした気分だ。