PSYCHO-FES サイコフェス パシフィコ横浜 国立大ホール

サイコパスという作品については、結構「斜めに」見ている。
この作品、あまりに設定が直接的すぎて「物語の嘘」が危険すぎる。人の心に色を付けて善悪を認識出来るとか、そんなSF荒唐無稽とか言う以前に、危険なほど視野の狭い思考だ。人間の心をそんな風にランク分け出来る筈がない。そんなことは作り手も分かっていると思うのだけれども、エンタメとして分かり易くという気分で作っているのだろう。しかし、そんな思考を本気で信じてしまう視聴者がいるかもしれず、もしそんな人が居たらお付き合いしたくないなあ、とか思っている者としては、この作品が評価されるのはあまり嬉しくない。別世界の脳構造の全く違う生物を題材にしているとか思えば、物語として面白いんだけれどね。
しかし、イベントとして魅力的だったのは事実。
一つはEGOISTのライブが有ると言う事。これは是非見てみたかった。アーティストが別にいて、3Dキャラを投影する。これは生で動かしていたのかな。だとしたら、ミスモノクロームアイカツイリュージョンより先の演出と言う事になる。これが出来れば、顔出しが全くダメなアーティスト、例えはClariSとかもライブに出演出来るだろう。新しい可能性を感じさせる技術だ。
そして、もう一つは声優の生台詞。これは女性キャスト的にも花澤香菜沢城みゆき伊藤静という生演技を聴きたい人が揃っている。それに加えてやはり男性キャストが凄い。関、野島、石田、櫻井…。全て大スターですよ。さらには有本欽隆の渋声が素晴らし過ぎた。実に豪勢な生ドラマだった。
サプライズでは凛として時雨も登場し、新OPも披露してくれたり。
新シリーズ2話分も上映したりして、イベント的には充実した内容だっただろう。
けど、デフォでTシャツ付けてチケ代を吊り上げていたのは少しいただけない。そういうところに、作品作りと同じく参加者を騙そうという意識を感じさせる。やはり「イベントは作品の鏡」といったところか。