Sphere's eternal live tour 2014 幕張メッセ イベントホール

最終千葉公演初日。
スフィアは精力的にライブをしてくれているのだけれども、それに比べてアルバムの発表が追いついていない事が多い。その為、アルバム発売時では無い時には集大成的なライブをしてくれて、その時は「スフィアのライブ」として王道的な構成に成りがち。まあ、所謂「鉄板曲」で構成される訳だから、それは大いに盛り上がるという事なのだが。
その点、今回のツアーはサードアルバムに合わせたライブとして、スフィアの新たな側面を強く見せる構成と成っているはず。しかし、発表されたのが2月の武道館だったから、この最終公演しか参加出来ないとなると9か月も待たされる。流石にそこまで待てないので7月の埼玉にも参加したが、それでもそこから4か月も経っていて、感覚的には四季を全て超えてきてしまった感がある。このライブは一つのアルバムから発したスフィアの一つの側面のはずなのだけれども、これが今のスフィアそのものだという印象になりつつあるくらいだ。
スフィアのアルバムには「色が無い」。つまりアルバム独自の方向性みたいなものがあまり感じられず、あるのはより高いエンターティメント性への志向のように思う。やはり、方向性の違う四人が揃っている事で、少しでも偏った特色を強めると特定の誰かに寄ってしまうという事になるのかもしれない。
敢えて今回のアルバムで特色を挙げるとすれば「バラエティ」だろうか。その象徴が「Ding! Dong! Ding! Dong!」。四人の特性を極限まで詰め込んだ一曲。これを作ってしまっては、以降、四人の個性をより強く表現する曲は作れないだろうと思える究極曲だ。全く違う音楽性を持つ4人の才能ある声優が、揃ってここまでの活動をしてきていること自体が奇跡的に思えてくる。
よりエンターティメント性を強め、バラエティ性も強め、より力強く、より繊細で、楽しいライブを、今後とも続けていって欲しいものだと、強く思わされるライブだった。

sphere(初回生産限定盤)

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