竹達彩奈LiveTour2014“Colore Serenata” 中野サンプラザ

素晴らしいものを見せてもらった。
あやちは中堅どころのアイドル声優としては一二を争う存在だと思っている。その可愛らしい声に加えて、見た目の良さや親近感を感じさせる性格を併せ持ち、ついでに言えば「けいおん」と「俺妹」という二大ヒット作品を抱えているので、もうそのアイドル性は群を抜いている。
ただ、惜しむらくは彼女は出てくるのが遅かった。二大ヒットの時に併せて出てくれば盤石とも言える地位を確立していたと思うのだけれども、実際には最近になってようやく活発に活動してくれている。これはきっと、彼女自身が元々アーティスト要素が足りず、それを誰からも認めてもらえるレベルまでに引き上げる努力をしていたためデビューが遅くなったのではないかと推測しているのだけれども勘繰り過ぎだろうか。
ともあれ、いま精力的に活動してくれる魅力的な存在として、声オタとしては絶対に抑えておきたい存在。
実際のところ、現在アイドル声優業界は熾烈を極める戦国時代と言って良い。若くて高いアーティスト能力を持ち合わせた声優がどんどん出てくる。もちろん声優としてどうかという点においても、それだけの売りが有れば取り上げられて経験も積み、知らぬ間にどんどん上手くなっていたりする。歌のセンスのある者が演技のセンスを持っていないという理由は無い訳で。そんなだから、自分を飾らないあやちがアニメイベントで他の若手声優達と同じステージに立ったりすると、どことなくやさぐれた態度を取ったり。
しかし、あやちの声、その甘え声を基本にしたこちらを蕩けさせる歌声は、そうそう若手の追いつけるものではない。歌のセンスを元々持っていなかったのか、生ではリズムとか音程に不安定なところがあったりするのだけれども、それもアイドルとしての歌唱としては完全に「有り」。正にこちらを蕩けさせる歌声として、このライブの場でしか聞けない声だ。
そして、今回はセカンドアルバムを引っ提げてのライブツアーだったのだけれども、その内容はよりファンタジックなものであり、歌の途中にはセリフとかもあり、色とりどりの衣装を見せてくれて、彼女の魅力を十全に引き出すライブだっただろう。魅力的な彼女が、全力投球とも言えるエンタメ性の高いライブを繰り広げてくれるのだから、こちらとしては堪ったものではない。やられまくったよ。二日目の最後には、亡き祖母の為に歌を作って歌ったりとか、プレミアム度の高い内容でもあった。
この日の席もステージのほぼ真ん中であやちと目と目を併せて応援する事が出来(た気がし)て、何とも心地よかった。
ともあれ、素晴らしい内容のライブだった。この調子ならこれからも彼女の活躍は期待できるだろう。今後とも注目していきたい。