ラブライブ! μ's Go→Go! LoveLive! 2015〜Dream Sensation!〜 さいたまスーパーアリーナ

またここに帰ってきたよ。
ラブライブに対しては、最初から常にどこか相反する矛盾した想いがある。公野櫻子原作として注目したいという思いと、氏の魅力であるキャラの内面重視はアイドル作品には向いていないのではないかという思い。実際に始まったキャスト声優の展開は新人を多く取り入れていて、それを応援したいという思いと、実際にやっていることがAKBを真似た総選挙とかでそれは違うという思い。アニメになってみれば非常によく出来ていて純粋に感動するけれども、より多くの共感を得る展開として分かり易い青春ストーリーにして、最終的に「アイドルアニメとして確立していない」という思いがある。
私の好きなアイドルアニメ作であるにも関わらず、本質的には私が基本的に敬遠している実際のアイドルの方法論で作られている部分があるので核となる部分に納得できないところがあるのかもしれない。
アニメは騙すのがお仕事だけれども、真のアニメファンはそれこそを受け止めるために見ているのだから、その騙す部分でファンとの共有が出来てない作品はちょっと違うんだよなあ。
ともあれ、そんな雑念が全て払われるのがキャストによるライブというもの。彼女達がここまで積み重ねてきたものは真実だから。この9人については、先述の想いもあり決して丹念に見てきている訳では無いのだけれども、アニメが始まる前の何者でもなかった彼女達が、このSSAという大舞台で、実に素晴らしいステージを作っているという事実は、大きな驚愕とともに、やはり嬉しくもある。
前回はアリーナのど真ん中から彼女達を見上げての応援だったのだけれども、今回、なんとか入ったところはステージ正面のほとんど最後尾で、会場全体が見渡せる場所。見下ろす事で時折客観的に見る事も出来き、ある意味このステージの素晴らしさをより認識出来たのではないかと思っている。
煌びやかなステージは映像スクリーンと共にライトで9人のパーソナルカラーを実に丹念に照らし出す。そのスクリーンに映るカメラも恐ろしいほど緻密に各メンバーを追い掛けてPVアニメのアングルを再現する。随所に挿入されるオリジナルアニメはステージに臨むμ’sの面々を描くもう一つの世界の展開を作り、実際のステージではTVアニメの中の衣装を完全再現したメンバーが、トロッコや回転台など様々に趣向をこらしたステージで、力の限り歌い、踊る。
途中ダレるところなど一切無く、最初から最後まで全力全開に密度の濃い、素晴らしいステージだった。
さて、次は映画か。ある意味一つの転換期。イベントもやったヒットアニメで他に思い浮かぶものとして「けいおん」があるけれども、あれもどんなにヒットしてても物語の展開としての終わりがあり、映画前のSSAが最大のイベントとなっている。
今回のこのSSAが最大のイベントとして記憶されるのではなく、この次のさらに大きなイベントがあって欲しいものだ。
それにはまず映画の内容が気にかかる。ほとんどうなることやら。

μ's Best Album Best Live! Collection II (超豪華限定盤)

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