花彩よさこい祭 二組目 舞浜アンフィシアター

ハナヤマタは良心の作品だ。幾多ある日常系アニメと同じようだが、その実、青春・成長物語としての骨格は相当に太い。その構造は作品を重くもするが、その重さを受け止める心構えのある物語なのが素晴らしい。
また、物語の太さを支える要素として特徴的なのが、映像と声。
映像については、老舗マッドハウスの熟練した技は色彩を極限まで引き上げる事を可能にしており、かの制作会社、特に監督のいしづかあつこはこういった抒情的な要素を色彩という表現に繋げる時に魅力を発揮している様に思う。
そして声。一番特徴的なのはやはり、みにゃみ。この常人離れした軽くて輝く声は重たい物語を打ち砕く。そして、それを取り巻く、うえしゃま、かやたん、ゆかちん三人ともが現実離れした輝きのある声で独特な雰囲気を醸し出し、その上でぬーさまが芯のある声で全体のまとめ役を買って出る。この5人の光のシャワーの様な声が色彩色の強い映像美と相乗効果を起こして作品を輝きで満たし、深い物語を受け止めている。
重い要素があるが故に、流され世代をバズらせるような作品では無いのだろうが、後々まで良作として評価される作品であろうと思っている。
ハナヤマタのイベントについては、ゲームショウとかフェスとかでは見ていながらも、残念ながらよさこい祭1組目には参加出来なかった。なので、本当の意味でのその「熱さ」について認識出来ていなかった。
やはり、作り手が作品に対して充実感をもっている時のイベントだ。作品が終わって既に半年。イベントを一回終わらせていて、特に次の展開の話も無い。それなのに何故2回目があるのか。それは作り手側も受け手側も作品に対して熱い想いがあり、それを今後に繋げたいという意思があるからだろう。
アニメイベントとしては最上級の構成とも言えた。作品を振り返るトークやゲームは当然として、OPEDはもとよりキャラ全員のキャラソン歌唱に加えて、作品内バンドの生バンド演奏もあるという豪華仕様のライブパートが付いていた。もちろんよさこいの実演付の歌唱もあり。バンド練習は本当にこの日の為にやってきたというのだから恐れ入る。
出演しているキャストが若手で構成されているという事もあるだろう。しかし、やはりこのステージ上のキャストは良作を支えた自負を胸にしているようで、その想いは会場に伝わり、それを受け止める会場もやはり熱い。このようなアニメイベントはなかなか生まれないと言えるほど良いイベントだった。
後は、もちろん第二期の発表が欲しかったのだけれども、そこはそれ。マッドハウスについてはラインが細いのであまり急げないだろうし、じっくり待ちたいと思っている。いやほんと、この次の展開が見てみたいものだ。