テレビアニメ『山田くんと7人の魔女』魔女に裏話を聞いちゃおう!イベント

個人的には、あまり評価の高く無い萌え系アニメのイベントに行こう企画の第2弾。(←かなり失礼w)
山田くんと7人の魔女」のマンガとしての評価は十分あると思う。そのアニメについてもある程度見る人は多いだろう。実際にアニメの作りも良い。けれども、アニメとして成功するかどうかは別。
これは少年漫画アニメと深夜アニメの関連性の問題でもある。本来少年漫画は夕方アニメで放映するものだった。あくまで認知度をより深める広告塔としての意義が大きく、映像ソフトを売るとかは二の次で原作の売上倍増やグッズ展開が主目的。しかし、深夜アニメの主目的はその映像ソフトを売ること。コアな層しか見ない深夜アニメに浅くても広い展開とかは望めないので、密度の高い内容が求められることになる。
1980年代にアニメブームが後退した時にラブコメブームも引いたのだけれども、それが復活したのはゲーム原作で深夜アニメとしてだった。その後、原作の出どころはマイナーマンガ誌やラノベに移っていったけれどもそれは深夜アニメとしてだった。それらはやはりよりオタク的なコアな層向けの内容だったからであり、夕方アニメのラブコメとは明らかに一線を隔すものと言える。
実際には少年誌連載でも深夜アニメ枠は以前からあるけれども、それはお色気主軸の作品であり、ある意味オタク的アニメ的な内容が少年マンガ誌に浸食していて、それがオタクの主戦場である深夜枠に戻ってきたという意味合いが大きい。
また、ラブコメ以外の少年漫画アニメでは、最近、スポーツ系とかが深夜にやるようになってきた。そう言った意味ではもう深夜枠の意味は以前と変わってきているという見方もあるかもしれないが、必ずしもそうとも言い切れ無い。と言うのも少年誌のスポーツ系は実は腐女子に人気があり、つまり女オタク向けにコアな需要があることから、深夜枠という判断が生じている面があるだろう。
つまり、深夜でやる以上、それを見る狭くてコアなファン層に強くアピール出来る作品であるかが重要。それが出来ず、その狭い層に夕方アニメのような浅い印象しか与えないとすれば、例え見てくれていたとしても何某かの売り上げに繋がらない。つまりアニメとして失敗となってしまう。今、同時期に「ニセコイ」の二期をやっているけれども、あの個性ある演出のシャフト作品ですら、一期はこういったイメージの中で苦戦していたように思う。
そう考えてみると、「7人の魔女」は結構苦戦しそう。その内容がかなり正統派ラブコメと云えて、オタク的にコア層に強くアピールするには「安定し過ぎている」様に思うから。
もしよりコア層向けを意識するのならば、オタク的な設定でもある魔女の設定部分を、原作通りではなく、演出もデザインもよりシンボリックにスタイリッシュにするなどの技が必要だったかもしれない。とは言え、最近ではオタク的価値そのものが融解し始めているとも思うので、何が正解になるかは分からないのだけれども。
ともあれ、ある意味ボーダーラインにある作品といえ、そう言った意味でも興味深い作品であり、イベントにも興味を持った。作り手がどんな意識を持っているかとか。
声優達に混じり監督が登壇していたのだけれども、実際にはイベントを盛り上げようという意思に欠けていて、ある意味愚直なイメージだった。演出についてはこだわりがあって、それさえしっかり出来れば例え売れなくても良い、くらいの感覚なのかもと思ったり。このような立ち位置の作品については、出来に対しては望むべき人だけれども、売上については望めない人なのかもしれない。
・・・長々と御託を並べてしまったが、イベントとしてのイメージは全く別で、基本的に声優の女の子達がワイワイするイベントだったw。タカオユキについては、先日のGAフェスタでもパフォーマンスを見て結構興味を持っていたし、声優アーティストとしては牧野由依もいる。田澤茉純という新人も加えて作品について色々語ってくれていて短い時間ながらも楽しかった。
作品的に悪く無いのは事実。はてさて、どうなるのかねえ。