第99.5回アニメスタイルイベント『アニメ兄貴のこれを観ろ!』 阿佐ヶ谷ロフト

アニメスタイルイベントの新シリーズとして、実際のアニメ監督にオススメアニメを紹介してもらう企画。なぜ99.5回なのかというと、既に100回目が決まった後にこの企画の日程が入り込んだかららしい。つまりは実際にはこのイベントこそ真の栄えある100回目だよね。w
で、内容なのだけれども、アニメの紹介というよりも片渕須直錦織博、両監督のアニメのマニアっぷりを披露する場になっていたり。片渕監督はアニメオタク黎明期には必ず話題にされていたレアアニメのオンパレード。今の薄いアニメファンは名前も聞いたことない作品といったところか。錦織監督は亜細亜堂の流れに沿った作品の紹介。これもまたかなりマニアックと言えるだろう。
これらは、言わばアニメの作画部分についての最も濃い部分を示しているとも言える。アニメを勉強するものとしては、これらの道を知っておく必要があるということかも。
とは言え、それはアニメの面白さの流れとは少しずれているのかも。作り手側として見るのならばこれらの事は認識すべきなのかも知れないけれども、観る側としてこれらを認識する必要があるかは別だと思う。
アニメの面白さとアニメの作画の分脈とかは別。そのことを最近の作り手側も認識してきたからこそ、一般層も引き込むヒットアニメが生まれているような気がする。そういった意味では、両監督のおすすめアニメは、失礼ながら、どこか前時代的に感じざるを得ない。アニメマニア向けのイベントとしては的確なチョイスだったと言えるけれども。
その後、ネット配信後にアニメ様が示した作品は、各時代に話題になり現在でも見ごたえのある作品として、観る事主体のアニメオタクにとってはとても的確なオススメだった。
なんにしても、実に濃く興味深いイベントだったのは事実。両監督の示した価値観は今後のアニメにおいても何らかの形で残っていくことだろうし、それが今、前時代的に感じるような状況において、アニメの価値観がどのような方向に進むのか色々と考えてしまったよ。