THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS SUMMER FESTIV@L 2015 東京公演 舞浜アンフィシアター(LV)

この日記は私以外なんの意味も持たない、正に「チラ裏」。何故ならライブビューイングの上に大遅刻という、とても中途半端な参加だったから。
しかし、その中途半端な参加によって、逆に色々と感想を巡らせて駄文を書きたくなってしまった。本当に自分のために書きつけているだけの駄目日記だ。
駆け付けたのはゆま達スタッフ陣が色々解説している頃。もう前半のトークパートが終わり、最後のライブパート前の休憩時間と言った所だっただろう。
なんだか、アンフィシアターでこの人達を見ると俺妹イベントを思い出す。つまりはそういったトークとゲームと生ドラマで構成された「所謂」アニメイベントが今まで展開されていたらしい。その点で、アイマスのイベントとしてはかなり特殊な状況だったのだと後で気付く。だって、アイマスのイベントは何時もライブだから。
アイマスがイベントを開くと言えばそれは全てライブ。もちろん、ラジオ公開放送の有料イベントとかCD発売に合わせたインストアイベントとかはあるけれども、特に何か特別な告知がされていないイベントは全てライブイベントと誰もが認識して居て、期待していた。今回のサマフェスも「特別なイベント」という以外はあまり具体的な内容(「トークがメインのイベントです」とか)を告知してないように思うので、大半の客はライブを期待していただろう。
とにかく、私が駆け付けた時はそのアイマスとしては折角の特殊なイベントが終わってしまっていて実に残念だったのだけれども、その駆け付けた時のLV会場の雰囲気が「かなり異様」だったのがとても気にかかった。その事があるからこそ、今こうして駄文を垂れ流していると言っても良い。
もうイベントの大半が終了し、歓喜の興奮に満ちた雰囲気の中に入っていくのは悔しいなあ・・・と思いながら会場に入ってみると、全く落ち着いた雰囲気。その前に何かあったのか疑うくらいの様子。さらに言うならば、なんだか不満のある気配すら感じた。
そしてその後すぐにライブが始まったのだけれども、それはそれで皆が盛り上がるところだし実際に盛り上がっていたのだけれども、それもどこか不満げな盛り上がりでもあった。
後から仕入れた情報から判断すると、つまりはガチガチのライブで大いに弾けることを期待して会場にきたのに、トークやらゲームやら生ドラマやらばかりで肩透かしを食らってしまい、それを楽しみつつも何処かに不満を抱えていたのだろうと推測出来る。そしてスタッフ陣の宣伝トークまで聞かされて、その後に申し訳程度のライブコーナーでお茶を濁す…みたいな状況では、そのライブコーナーが始まったとはいえ素直に喜べない、みたいな感情があったとすると、その時感じたことがピタリと当てはまる。
思うに、サマフェスのトークパートは、それはそれでとても面白かったに違いない。それはその後に流れてきた参加者の好意的な感想ツイートを見ても明らかだ。だから、それは参加する価値のあるとても良いイベントだったのは間違い無い。
しかし、それらの感想を書いた人たちの中には、理性で楽しいと思っていても本心では物足りないと思っていた人も居たのではないかと思える。実際に物足りなさをツイートする人も居た。
これはあまりにも大きな「罪作りな流れ」だったと思う。ある意味、アニメイベント史上でも稀に見る大きな誤解が生んだ特殊な雰囲気なのではと思うくらい。
アイマスは今までライブをメインにイベントをしてきた。その流れはもう10年近くになりその最後のライブは今までで最大級のドームライブで先月あったばかり。皆の記憶の中にはその強烈な快楽が今でも渦巻いていて、それをもう一度堪能したいという気持ちで充満しているだろう。
デレマスというコンテンツが今現在拡大中なのも大きい。正に今はテレビアニメが進行中で、皆の注目か向いている時期。アニメの2期が始まってこれからの展開にライブイベントで弾みを付けたい状況だ。
そして、一つ悪い状況がこのアンフィシアターという会場。会場その物はとても良いところだが、なんといってもこれら多くのファンの期待を迎え入れるにはあまりに小さいハコと言える。昨今ではイベント優先販売券付BDが商法として定着しているけれども、プレミアの付きそうなイベントとなるとダフ屋も寄ってきて醜悪な事態になる。優先権付の1巻だけBDが驚異的に売れているというのも実に悲しい事だ。
今までのアイマスイベントのようなガチガチのライブを思い描き、BDを複数買いして、若しくは万単位のオクチケに手を出して、あらゆる犠牲を払って正に決死の臨戦態勢でイベントに参加してみたら、実に平穏なトークイベントで、なんだか可愛い声優さん達が楽しげにネズミにケンカ売る程度の平和なトークに徹しているという状況・・・。きっと、やりきれない思いを持って居た人も多かったことだろう。
実は、最近ではこれと似たような状況が他にもあった。それはラブライブのファンミ。あれも、今までのライブイベントを期待したいところだったのに、実際にはトークがメインでやはり参加したファンの中では気持ちのトーンダウンがあったはず。しかし、ラブライブはそのコンテンツとして少し状況が違っていて、正に最後の展開である劇場版を終わらせるこの時期にトークイベントを開くというのは、今までのファンの心の落としどころとしての役割を担う事になっていて、逆に効果的だったとも言える。
しかし、デレマスはこれからアニメ2期が始まり更に勢いをつけたいイケイケの状況。ここで今までのライブイベントに比べたらトーンダウンするようなイベントを持ってこられても物足りないと思わざるを得ないだろう。
さらに言うならば、今のアニメの展開は丁度「女常務」という敵が現れてデレマスチームがボコボコに痛めつけられている流れ。実際間の悪い事に、常務はアイドルのバラエティー性を排してより高いクオリティを求める存在であり、それにアイドル達が立ち向かうという流れなのに、実際にその流れと同じこと、つまりこのイベントでアイドル達がバラエティをやったら、駆け付けたファンの皆が「どこか物足りない」という雰囲気。これじゃ、まるで現実的には女常務の方が正しいの?というアニメの展開とは真逆の受け取り方になってしまう・・・
もちろん、声優達のアニメに絡めたトークイベントは尊いものだし、それは今後とも機会があれば是非やってもらいたいと思う。けれども、今回の「罪作りな流れ」はあまりに大ききかった。この流れは、最初からこのイベントはバラエティーメインだとちゃんと告知して、しっかり断ち切って欲しかったと思う。それは「ライブじゃ無いなら行かないで良いや」というファンを敢えて外して商機を逃すことにもなるのだけれども、この「罪作りな流れ」が、メインコンテンツであるアニメに対するファンの感性にまで悪影響を与えてしまうとすれば、それこそ本末転倒とも思う。
イベントは売り上げが全てとは思えない。参加したファンの誰もが満足の行くものになって欲しい。
今回のイベントは作り手がファンの気持ちを巧みに操り、BDも異様な程売り上げを伸ばし、ファンの中からも声優さん達のトークが楽しかったという感想が聞かれるという、一見大成功を収めたイベントのように思う。
しかし、その実は参加した多くのファンの心に、一種の虚無感にも近い感情を与えていないか心配だ。アニメコンテンツはファンの心ひとつで大きくその方向性が変わっていくものだから。
正に参加していない者としての全く根拠のない空想ながら、そんなことを心配してしまった。