超に関する推理 閑話休題 「ネギまの大テーマ?」

こうして考えていくと、「魔法使いの公開」という問題が、「ネギま!」という作品において非常に重要な問題の様に思えてくる。
総人口6700万人、いくつかの国もあるという魔法使い社会の一般社会への公開は、正に異文明の衝突そのものであろう。つまり、「戦争」の存在がちらついてくる。そこで思い出されるのが、20年前に起きたという「大戦」の存在(6巻53時間目)である。
この大戦、一般人にはまるで知られていない。つまり魔法使いの「異界」で起こったと推測される。また、天ヶ崎千草の存在からも、魔法使い間の争いであった可能性は高い。それでは一体なにが原因だったのかということになるが、もしかすると、「魔法使い公開派」と「非公開派」の争いだったのではないだろうか。千草自身、各所に結界をはったりして魔法使いの存在を隠してはいたものの、リョウメンスクナ召還などの派手な行動は、隠れるべき魔法使いとしては少し行きすぎのように思える。また、ガンドルフィーニ達魔法先生の魔法使い公開に対する明らかな危機感も、なにか根拠のあることの様に思える。
20年前、魔法使い社会の存在を世界に公開し、魔法使いが表から社会に介入すべきという革新勢力があった。それを西洋魔術師を中心とした保守派が押さえようとし、大戦になった。ナギはその時魔法使いの一般世界介入阻止に尽力し英雄になった。では、その息子ネギはというと、魔法使いでありながら一般人の生徒を持つ先生に任命される。そして、生徒たちに魔法の存在を少しづつ知られていく事になる。
これは、もしかすると予定調和なのかもしれない。文明の断絶が必ずしも正しいはずがない。ナギが交流を閉ざしたのであれば、その功罪を息子に償ってもらいたいと望んだかもしれない。つまり、ネギは魔法使いと一般人の交流の掛け橋として期待されている?ネギ自身、父親の様になりたいとして、ナギの後を追っているが、それはかなわない夢。ナギが世界を閉ざして英雄になったのであるならば、ネギは世界を開放する英雄として、初めて父親に追いつき追い越した事になる。それが「ネギま!」という物語の大テーマなのでは・・・などと夢想している。