神様家族 第1話

原作未読。
ラノベにおいて良く使われるテーマ「全能感と無力感の攻めぎ合い」がとり入れられている。早い話が、今は廃れた概念「セカイ系」の流れをくむものだろう。
それにしても面白いのが、その全能感の出所が「家族」であるということ。若者のテーマの中では「与えられる全能的な力」は基本的に「悪」として捉えられる。人間の幸福において全能的な力ほど害を成すものはないからだ。「全能的な力を与えるものにろくなものは無い」という点において、この作品における家族関係への絶望的な視点はかなり寂しい。実際、増殖した家族達に運動会で祭り上げられるシーンなど悪夢以外の何物でもない。はっきり言って気持ち悪い。
この後、恋を得た主人公が、この絶望的な状態から這い上がっていく事になるのだろうが、それはかなりの痛みを伴うものになるだろう。
人情話を装ったギャグ風味でどれだけ持ちこたえるかが勝負だが、途中、絶対に非情な設定が顔を出すだろう。見たくないなあ。