歴史改変の考察及び今後の展開予想③ 超の勝利宣言の意味は?

カシオペアを使用したタイムトラベルでは歴史改変は不可能、ということはほぼ間違い無いことだろう。
そして、超は、彼女のセリフから推測すると、カシオペアを使用して過去に遡ってきたらしい。(確定事項ではない)それなのに、計画を遂行した後に「歴史改変を成功させた」という勝利宣言を行っている。
この宣言は、一体どういったものなのだろうか。いくつかその可能性を挙げ、作者の思惑も考慮しながら検討してみたい。
1. 実は超はタイムトラベルの特性を理解していなかった。今回彼女が起こした事件も実は歴史の1ページであり、後の情報操作によって未来には伝わっていない。後に超が臨まない歴史がめぐってくる運命。
2. 現在ネギ達がいる世界はパラレルワールドである。超はカシオペアとは別に、パラレルワールドを発生させるような力を持っており、超の元居たワールドの歴史改変こそ出来ないが、理想の未来を作るため計画を実行した。
3. 現在ネギ達がいる世界は全て超の見せている幻覚である。
4. 超はこの世界のタイムトラベル特性を修正できる特殊な力を行使できる。それは、過去にいる未来人としての彼女の行動が歴史改変になる、というような力である。
5. 超はカシオペアを使って過去に遡ってきたのではない。他にある、別のタイムトラベル特性を持つタイムマシンに乗ってやってきた。超がやってきた事自体歴史改変の一因になっている。
まず、1.はありえない。既に描写したタイムトラベル特性を遵守しようとすればこれになるのだが、カシオペアの元々の所有者である超がタイムトラベルの特性を理解していなかった、というのはまずありえないだろう。物語としても、未来に回避不能の好ましくない歴史が待っている事を明らかにしただけになってしまう。基本的に不幸な結末を描かない事をモットーとしている赤松作品においては、絶対にないといっても良いだろう。
2.も考えづらい。このような計画では実質的な歴史改変にはならず、ある意味、超の自己満足にしかならない。カシオペア以外の力というものを持ち出してきたにも係わらず、パラレルワールドにこだわる必然性はあまりないだろう。どうしても量子論を展開したいと思ったのだとしても、既に「運命決定型」を描写している事と矛盾してしまう。
3. は、考える必要が無いので却下。(^^)
4.と5.は基本的にはあまり違いが無い。歴史の書き替えが行える、という時点で既に科学的ではないが、それでも物語の趣旨に最も適した展開といえる。物語をバランス良く進めるには、まず間違いなくこのような展開をしていく必要があると言えるのではないだろうか。
では、どちらの可能性が高いかというと、多分それは5.だろう。4.の場合だと矛盾が生じるからだ。例えばその力を行使する機械があったとすると、それは超がこの時代に来る以前から起動している必要がある。なぜなら、カシオペアによるタイムトラベルでは既にある過去しか再現できない。超がその機械を作動させ歴史改変を可能にするには過去に遡った時から準備している必要がある。そうなると、その機械は当然学祭中も起動していたという事になり、その影響はネギがカシオペアを使った時にも出てしまう。これは明らかに今までの描写と矛盾している。
つまり、超はカシオペアとは別の機能を持ったタイムマシンによってこの時代にやってきた、とするのがよいだろう。超がこの時代に居る時点で、実は歴史改変は始まっていたという事になる。
なお、そのタイムマシンは何処にあるのかといえば、それはほぼ間違いなくあの謎のシスター達が見た謎の巨大機械だろう。今回の超の計画の中で唯一利用目的が不明のままの存在である。現在ネギ達が持つカシオペアが試作機だとするならば、そのタイムマシンこそ「カシオペア正式機」という事になるのかもしれない。