妄想:高町なのは、次元世界帝王への道

今回、第10話にて描写された管理局の武闘派レジアス中将の存在は、かなり先の展開を想像(妄想)させる。これは、今まで積み重ねられてきた多くの伏線を繋げて考える事が出来る、重要な描写の様に感じる。
機動六課という組織が何故出来たのか。この組織の特異性は一体何なのか。それらの答が、この武闘派の存在で説明出来るように思う。
軍隊の中で、ある一部に武力を集中させるというのは、やはりどう考えても普通ではない。例えば反乱の危険性があるからだ。これについては武力のリミッタ―設定で安全性を図っているが、逆に考えれば、そのリミッタ―解除権限を握っている者がその偏った武力を持っている、という意味にもなる。つまり、その権限を持つクロノ提督等はそれだけ偏った力を持ってしまっている、という事になる。
しかし、そんな不自然な武力を持つ事自体、クロノ自身にとっても危険な事といえる。この事を指摘されれば、例えその意志が無くても反逆罪に問われかねないからだ。では、一体なぜそのような危ない橋を渡るような事をしているのかと言うと、クロノに反逆の意志が無いとするならば(w)、軍の中に別の不穏な動きがあるから、という事で説明がつく。つまり、管理局の一部に反逆の可能性が考えられ、それに対抗する武力を温存する必要があった、という事が機動六課設立の本当の理由だった、と考える事が出来るのだ。
また、かなり高齢になっている「伝説の三提督」の存在も、この推測を補足出来る。この次元世界における個人の魔法の力はかなり強力だ。前シリーズにおけるなのは個人の力を見ても相当なものだと推測出来る。もしかしたら、この次元世界における武力の管理は、結局の所個人の力に頼っている側面があるのかもしれない。つまり、いままで管理局を統括していたのは、三提督の力によるものが大きかった。しかし、その三提督が高齢になって、力が衰え始めた為、押さえがきかなくなったとすれば、武闘派の活発化も説明がつくだろう。
今までの話の流れとして、レリックと、それを狙うスカリエッティが敵役としてクローズアップされていたが、彼らは「クライアント」の意向によって動いていた。そのクライアントが管理局武闘派だとすれば、全てが繋がってくる。例えば、管理局が管理していたはずのジュエルシードがいつのまにかに横流しされていた事も説明がつくだろう。もちろん、武闘派は単なる中ボスであり、最終的にはスカリエッティ率いるレリック・ウェポン集団こそが最大の敵、という展開になる可能性も充分あるだろうが。
とにかく、今後の展開として「機動六課vs管理局武闘派反乱軍」という流れは充分考えられる。機動六課は、どこかパトレイバーの特車二課を連想させる所があったが、もしかしたら最初からこのシリーズは「劇場版パトレイバー2」あたりを念頭に置いていたのかもしれない。「魔法少女リリカルなのはStrikerS」=「劇場版パトレイバー2」という訳だ。今回10話中、デートに出掛けるエリオ達のシーンで、隊舎から街への道が妙に長いのが気になったが、これも特車二課隊舎と似た設定だ。もしかしたら、この隊舎を陣地として戦うシーン等を想定しているのかもしれない。
ところで、この次元世界について、一つ気になっている事がある。それは、この世界を統治しているのは何かという事。
多分、民主主義として人民主権なのだろうが、その政府組織はどうなっているのだろうか。どうやら多くの次元世界が認知され、それを管理する必要がある世界のようだが、その管理組織として管理局の存在しか明らかにされていない。また、管理世界、管理外世界と言い表すように「管理」する事だけが重要な意味を持っているようだ。これらから推測するに、この次元世界全体を統括する組織は管理局しかないのかもしれない。つまり、管理局こそがこの次元世界の統括者であり、その管理局のトップはこの世界のトップ。言わば、「伝説の三提督」こそがこの次元世界そのものの「元首」という認識なのかもしれない。
そして、このシリーズにおいて、その三提督の力が衰えを見せ、管理局に混乱が生じた時、その混乱を収める者が現れる。それは、なのは達。つまり、なのは達こそ現在の三提督の後を継ぎ、次の元首となるべき存在なのかもしれない。
以前より、高町なのはという存在が随分と大切にされている描写が多く、それをもって「高町なのは死亡フラグ」ではないか、とも思ったが、これはもしかしたら「死亡フラグ」どころでは無く、「王様即位フラグ」だったのかもしれない。王様=現人神=別次元の存在、という意味では、似たような事かもしれないが。
なのはが管理局の提督となり、この次元世界の元首となり、次元世界を統括する存在となる。この次元世界における提督の権限などは明らかではないが、もしかすればかなりの権力を持つ事が可能かもしれないだろう。また、人民をより良き方向に導く為、より強い権力を発揮しなければならない時もある。強い力を持つと言う事は、結局そういう事だ。そして、なのはにはその力が充分備わっているといえるだろう。彼女がその力を元に、この世界に今後どう相対していくのだろうか…。
なのはの行く末を、大いに期待しながら見守っていこう。
・・・
帝王、…いや、魔王? (w)