魔法少女リリカルなのはStrikerS 14話

かなりしっかりしてきた感じ。「キャラメルvol.1」において、監督も11話以降変わってくると言っていたが、確かに面白くなってきた。
この物語で今まで足りていなかったのは、なによりも、もろもろの「動機」の描写だろう。12話においては敵側の動機が、13話においては味方側、それも部隊や部隊長であるはやての動機が描かれており、相対するお互いのキャラの心情がやっと明確になってきた。
そして今回は、言ってみれば「世界」の動機が描かれている。
この世界=次元世界は機械文明の反省を生かして、進化した魔法文明世界であるということ。だから、魔法文明を維持していくことがこの世界の動機となりうる。今までに登場したロストロギアは実は機械文明の産物っぽい。個人の能力によらず、誰もが無制限に使用可能な巨大な力は危険だということなのだろう。確かに管理の面から考えると、人と力がセットの魔法の方が管理しやすいというのは当たっているだろう。(けどこれってかなりの魔法能力格差社会のような…(^^;)
なにはともあれ、この世界の動機によって、クローズアップされてくるキャラが二人。
一人はスバル。彼女の母親が死んだ原因は機人(アンドロイドかなにかだろう)によるものらしい。つまり、言ってみれば機械文明の被害者として今後の物語に大いに係わっていけそうだ。これで主人公の面目躍如といったところだろう。
あと一人は、ゲイズ中将。彼は魔法を嫌っているらしい。多分、彼自身に魔法能力に対するコンプレックスがあり、おそらくはこの世界そのものをも憎んでいるのかもしれない。そう考えると、以前妄想した彼のクーデターも、かなり現実味を帯びてくる。
カリムの予言した、管理局の崩壊。これは地上本部の陸軍と本局の海軍が同時に崩壊する事が無い限り「ありえない話」とされているが、もし地上本部そのものが本局に対して反旗を翻すことになったら「ありえない話」ではないだろう。あくまでテロしか想定していないから「ありえない」だけなのだ。
カリムとの会見の際、少し奇妙なセリフがある。カリムが「任務外の迷惑をかけない」というのだ。テロに対する話をしているのならばこのようなセリフは不要だ。だがもし陸軍でクーデターが発生した場合はどうだろうか。六課の所属は陸軍、つまりゲイズ中将の下にいることになる。彼を起点にして反乱が起こった場合、その下にいる者がクーデターを抑えるのは「自分の意志」による行動が必要となるわけで、つまりそれは軍規違反に取られかねない。しかし、この言葉により、管理局崩壊を防ぐあらゆる行動はカリムによって全て保障する、という確約をもらったと言うことなのだろう。なのは達はクーデターを想定していないような口ぶりだが、少なくともこの物語的にはどう考えてもクーデターが用意されているように思える。
それにしても、フェイトによると、各世界の管理をしているのは、やはり管理局のようだ。そしてこの物語は、その管理局の崩壊と再生、つまり世界の崩壊と再生を描こうとしているのだろう。監督たちの口ぶりからすると大きな山場は17話あたりに来るらしい。もしかしたら、そこで一度はクーデターが成立してしまうのかもしれない。つまり世界の崩壊だ。
けれども、その混乱のさなか廃艦寸前のアースラにて逃げ延びた六課が立ち上がり、世界を救うのかも。そして、世界を救ったなのは達は英雄となり、新たな三提督として称えられるとか。
本当に以前考えた妄想が当たりそうな予感。なんだかわくわくしてきたぞ。