紫色のクオリア
読んだ。面白かった。
内容は概ね前半と後半に分かれていて、その両方で興味深い題材を取り上げ、上手くラノベに昇華している。
前半の題材は「クオリア」。
鞠井ゆかりは、ニンゲンがロボットに見える。
この事から、「クオリア」(=感覚質)という概念を元にして、結構よくある伝記系ラノベに繋げる展開。
他の人と見えているものが違うのならば、起せる「現象」も違うはず、といった感じに。
真っ先に思い浮かぶのが「月姫」の「直死の魔眼」だろうか。
けど、この話を聞いて、もう一つ思い出した事がある。
それはこの人。
- あなたは「小林ゆう」という名の声優を知っているか?
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/51942716.html
- 【画伯】 小林ゆうの絵
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52046844.html
「紫色のクオリア」も結構怖い展開をみせるけど、この人の存在を思い出すと本気で怖くなる。w
「画伯のクオリア」は、一体何なのだろう、とか。小林ゆうという人は、何かとんでもない「現象」を起せるのではないか、とか。w
・
で、後半は「クオリア」と量子論と結びつけて、「波束の収縮」とか「平行世界」とか「フェルマーの原理」とか「大統一理論」とか持ち出して、ハードSF的に展開。
これがやたらと面白い。
まあ、壮大な法螺なのだけれども、それに値する説得力がある。読んでいて思い出されるのは、山本弘の「ギャラクシートリッパー美葉」とかだろうか。作品的には「虎」へのオマージュになっているっぽいが。
ただ、この手の話って、どうしても物事の本質をグイグイ抉るから、読了感がどうにもほろ苦くなるんだよね。
それもまた、良いのだけれど。
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