フレッシュプリキュア!終了

プリキュア』とは、メインターゲットを<女性(4〜9歳)/男性(19〜30歳)>と
公式に発表する嘘をつかない素直なアニメシリーズである。

ニコニコ大百科(仮)から
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A2
確か、ナージャはお母さん層を狙っていたはず。それが、おもちゃのお財布を握っているお父さん層に移って、実はネットを騒がすオタク独身層の影響も大きく、少女達に目新しい格闘少女モノとして受け入れられていった作品がプリキュアセーラームーンの再来的なポジションにあると言えるだろう。
けれども、実際にはセラムンに比べると内容はかなり幼児向け。大人が熱心に嵌るというほどのシリアスさを持てるほどに完成度を上げておらず、実質は「認知されている」程度。その度合いはおそらくシリーズを重ねる毎に強くなり、純粋な少女向けに向かいつつあった。そして、それに比例して売上を下げてもいたらしい。
そんな、行き詰まり感を払拭しようとした意欲作が「フレッシュプリキュア!」だったのだろう。ネットで騒がれるまで全く出遅れてしまったが、それでも前半のイース=パッションエピソードではえらく感動させてもらった。
このシリーズの肝は何と言ってもせつな。彼女を描く為に、敵ラビリンスのシリアス設定が出来ていると言っても良いくらい。実際には、このせつなのエピソードは、セラムンにおいて月野うさぎが他の「全ての」メンバーに対して行ったエピソードと同じ要素なのだけれども、それを単体で深く描く事でシリーズが立ち上がっていると言える。ただ、そういう意味では「瞬間風速的な」作品でもあり、全体に満遍なく徐々に盛り上がっていったセラムンシリーズの優秀性を改めて認識したりりもするのだが。
それでも、一人を描く事で、その過程がじわじわと描かれていくのはうれしかった。それが幼児向けのシリーズ構成的にあまり効果的に描かれていない部分も併せてヤキモキさせられたり。
変な話だが、私の中ではイースはなのはのフェイトなのだ。素直なだけではいられない年齢になるまで束縛されていたフェイト。フェイトの素直さは幸せな事だが、どこか理不尽でもある。もっと頑なであってもいいのにと思う。そんな想いがせつなの幸せを受け入れる方法すら分からず戸惑う姿に投影され、彼女を応援するという喜びを感じさせてくれる。彼女の心の空洞は深く、主人公のラブだけでは埋めきれない。それを埋める手助けをするのは大人であるところのラブの母親だったりする。そういった家族との心の交流が丹念に描かれているのも、短いシリーズであったなのはに、もっと求めていた部分だったりする。
全体的には、決して上手い作品ではなかった様に思う。けれども、一人のキャラクターが気にかかり、その行く末にヤキモキさせられた。それだけで、充分楽しませてくれた作品と言えるだろう。
さて、次回からは「ハートキャッチプリキュア!」だとか。
・・・おじゃ魔女プリキュア
確かに、おじゃ魔女も「大きなお友達」要素を含む作品ではあったけれども、出来の良い堅実な作品で、その堅実さがゆえにプリキュアの爆発的人気に及ばない作品であったのではないかな。
プリキュアの格闘要素という爆発力と、作品の質の向上が上手く結びついて欲しいものだ。
・・・水樹奈々の投入がもう少し早くてイースやってたら、「フレッシュ!プリキュアA’s」になってたのかなw。