ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 〜「萌え」という箱庭の中の戦争・・・?〜

いやはや、参ったね。
一言いってしまうと、「ドラえもんの戦争モノの方が迫力あるよ」てなところか。
非常に粘りけのある人間描写と演出。平和至上主義の主人公達。そして、とことん御都合主義の展開。なんとも甘アマな世界観だろう。これこそが「萌え」という箱庭の具現化なのか。
・・・いや、違うんだよね。これは「オタクとか萌え萌え言っている奴らが好みそう」と、本質を分かっていない者があてがった、偽りの箱庭でしかない。
オタクは自分達が見ている世界が箱庭である事を「知っている」。だから、それがあえて「作るべき箱庭」である必要など無い。そこが子供とオタクの違う所。
偽物を本物として楽しんでしまうのが子供。偽物を偽物として楽しむ術をもっているのがオタク。
だから、如何に騙してくれるのか、本物の戦争を「造ってくれるのか」期待して見る。
それが、「おーいドラえもーん」よりひどいんじゃ、ちょっと・・・笑う。
なんだか、戦争とかのシリアス系センテンスがほぼジブリ系で誤魔化されているって、どうだろう。もう笑うしかない。これじゃ子供だまし以下だ。
個々のキャラクターも魅力的に描かれてはいたけれども、こうやって子供騙しの世界の中でしか生きられなかった彼女達は、結局操り人形の域を出ない。戦争怖いとかいって武器作り続けていたとか、反乱起して一切のお咎めなしとか、情勢不安の中、元敵国の言葉を丸呑みして職務放棄するお姫様とか、もう、どうとでもしてくれ、と言いたくなってしまう。
これだったら、いっそ「ウィンダリア」エンディングでよかったよ。(あ、なんか雰囲気似てるかも。)

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