負の力の流れを感じ取る 〜魔法少女まどか☆マギカ 第3話〜

私の悪い癖で、作品の暗い展開ばかり妄想したり、ドロドロした心理描写を期待するのは良くないな・・・と思い、これからは「明るいまどか☆マギカ」の展開を空想してみようと思った矢先・・・
作品の方が、第3話で早くも「欝展開決定」という事にw。堪え性が無さ過ぎるよw。いや、皆が遅かれ速かれこの展開になるだろうと想像していたくらいだから、別に早いというわけでも無いのか。
魔法少女まどか・・・と題しながら、未だ魔法少女になっていないまどか。やはり「魔法少女になる」という事そのものに大きな謎、というか、この物語の命題のようなものが隠されているのだろう。
ほむらはなぜまどかが魔法少女になる事を阻止しようとしたのか。それは、おそらく彼女自身が言っていた「まどか本人の為」という事もあるだろう。「自分の人生と引き換えに願いを叶える」といってよいこの「魔法少女契約」は、やはりその契約をした者を不幸にするだろうと想像に難くない。
ただ、ほむらの「使命感」みたいな物も感じさせる態度からすると、それだけではないように思える。人一倍素質のあるまどかが魔法少女になることに、一体どんな問題があるのだろうか。
そこで、もう一人の現魔法少女マミがまったく別の行動、まどかを魔法少女に誘導していた事が気にかかる。マミは何故まどかを魔法少女に誘導したのか。
今回、マミがどのような立場の魔法少女であったのかが明らかになった。魔法少女にならないと命の無い状態、魔法少女になる以外の選択肢が無い存在だったという事。それがどういう事かと言うと、彼女にとって「願いを叶える事」は、絶対的な正当性があるという事だ。
逆に言うと、その契約に何か問題があったとしても、彼女の立場からはそれを否定できないという事になる。そう考えると、マミがまどか達を魔法少女に誘うのは、実に自然な事だ。彼女は自分の願いを、つまり自分の命を正当化するためにも、その契約システムが機能し続ける事を歓迎すべきだろう。
そして、ほむらの立場はどう考えればよいのだろう。ほむらは、魔法少女契約システムに組み込まれた事を後悔しているからこそ、あのような行動を取っているのだろう。つまり、自分が叶えた願いを差し置いても、そのシステムの停止、若しくは停滞を望んでいる。そういう存在の彼女を生み出すほどに、この魔法少女契約システムには大いなる問題点があるのだろう。
そして気になるのが、魔法少女と魔女の関係だ。両者には単に倒し倒されるだけの関係性しかないのか。なぜ、魔法少女のジェムの回復に魔女のシードが役に立つのか。魔法少女のなれのはてが魔女なのか、それとも魔法少女が生まれる時、魔女も同時に生まれるのか。ジェムの回復方法からしても、そこには何がしかの負の力の流れがあるに違いない。
魔法少女になる時、一つの願いが叶う。その力は一体どこからやってくるのだろう。願いと呪いの違いというが、その表現は表裏一体と言ってもよいだろう。大いなる願いが叶った時、力の代償が呪いとなって世界に降り注がれるのではないか。魔法少女の使命、それは自ら願った事の代償を自分の手で回収する、非常に利己的な活動なのかもしれない。そうして、この魔法少女システムによって世界に呪いが蔓延していく。その果てがまどかが冒頭見た夢の「世界のなれのはて」なのかも。
ともあれ、もうそろそろまどかの決断の時が迫っているだろう。その時、まどかの世界はどう変わるのか。緊張して見守りたい。