花咲くいろは 第1話

最初見始めの印象は納得のいかない感じだった。
コンセプトとしては現代版赤毛のアン?感受性の強い女の子が親の夜逃げというドラマチックな展開に胸をときめかせる。そう感じる女の子の感性が、実に浅薄に感じ、なんともやり切れない印象を受けた。
けれども、それはときめくドラマでもなんでもない、現実の厳しさを女の子に叩きつける境遇である事が少しずつ見えてくる。そして、最後の涙によって初めて、おさまるべき所に収まったように思える。
こういう、苦味と納得とを与えるドラマこそ、本来の意味での「物語」ではないかとすら思える。最近のアニメではなかなかお目にかかれない質の物語だ。
彼女の感性が正すべき悪というわけではない。祖母である旅館のおかみが、絶対に正しいというわけでも無い。辛い境遇にあっても彼女は負けずに、今までの自分を保ち続けるのかもしれない。そして、そんな彼女を受け入れて、かび臭い布団のような旅館も、どこか変わっていくのかもしれない。
変わらないものもあり、変わるべき所は変わっていく。そんな人が人と接すれば当たり前に起こる様々な流れを紡いでいく。そういう当たり前のドラマを、そして最近のアニメではなかなか見られないものを見せてくれそうな気がする。