猫神やおよろず

7月期に始まったアニメの中で、お気に入りの一二を争う作品だった。どのくらい好きかと言うと、アニメのオープニングを1秒見始めただけで、コミックス全巻購入を決めたくらい。・・・なんて、電波な事を言っているようだが、実際にそう感じた理由がある。というのも、この作品は神様を扱った作品であり、その作品の始めを表現するのに大樹が芽吹くシーンを入れた時点で「この作品は神様の本質を理解して描かれるに違いない」と確信したから。
で、コミックスを買ってみて、「世界樹の迷宮?」の人か、と二度目の驚き。単なるコミカライズではなく、何処か余韻の残る良作で他の作品も見てみたいと思っていた漫画家だった。
猫神やおよろずは雰囲気的には軽い感じの作品だけれども、それは、何か本質が分かった上であえてやっている作品という印象。つまり、神様の描写も、神の本質が分っていると読み取れる。その感覚がいかにも嬉しい。アニメの第一印象はピタリと当てはまった感じだった。
また、神は神でも猫神というのも楽しい。基本的に日本に猫神というものはあまり無い。なぜだか、猫は神の位にはつけない存在だったりする。それをあえて取り入れているのもとても面白い。猫神は居なくても、招き猫とか、猫又とか、どこか霊威のある存在なので、そんな少し自由な存在から世界観を作り上げているのは上手い手法だと思う。神様モノは大好きなので、漫画ともども非常にお気に入りの作品が増えて実に嬉しかった。
アニメに関しても、元々の軽い雰囲気に、さらに桜井演出が軽すぎる印象もあったけれども(漫画がお気に入りになったので、あえて少し辛口)、決して相性が悪いわけではなく、納得の仕上がりだった。
声優的にも、二大ヒロインの声は完璧。戸松の神様声は正に絶品だし、堀江由衣の癒しキャラも流石の一言。他のキャストもはまり役ばかりだった。
とにかく、非常に思い入れの強い作品になっている。なので、続編とかを強く望みたいところ。

猫神やおよろず 5 (チャンピオンREDコミックス)

猫神やおよろず 5 (チャンピオンREDコミックス)