ギルティクラウン 脚本に何を求めるか

うーん、いま一つだなあ。
非常にいい素材が沢山あるのに、それがいま一つ生かされていない。
作品の方向性はとても良い。興味を引きそうな素材はかなり高濃度に設定されているし、それを楽しませようとする、エロだったり、サスペンスだったりというエンタメの「餌」もふんだんに盛り込んでいる。つまり、エンタメの濃度は非常に高い。更に言うならば、それらを描く作画も実に高密度だ。
後は、それを如何にして纏め上げていくか、という事に集約される。つまり、構成・脚本の分野だ。
実は、エンタメ要素から最も「遠い」のがこの脚本分野だったりする。つまり、構造体の基礎みたいな物で、これだけでは何の意味も成さない。視聴者が理解できるように情報を伝え、物事の起承転結を構成させる。ただそれだけが出来ていれば、仕事をした事になる。
しかし、これがこの作品では上手くいっていない。情報は足りていないし、それが故か、物事に矛盾がありすぎる。つまり、全ての事象に現実味がなくなってしまう。
そうなると、ふんだんに配置してあった全てのエンタメ要素も「死んで」しまいかねない。すげー勿体無い。これって、エンタメ要素をふんだんに盛り込もうとしたがために、脚本の最低限の仕事が疎かになった結果なのだと思う。後一歩、脚本構成が踏ん張れば、様になる部分が多いのに、それが出来ていないので、全体的にしらけてしまいかねない。
まだ物語の序盤の序盤だから、これからいくらでも構築しなおす事は出来るのだけれども、それも視聴者の乗りの減衰で、取り返しのきかない地点が何時かくる。
早くなんとかしてー。

My Dearest(初回生産限定盤)(DVD付)

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