私的女性アイドル声優一覧 その3(第一線編)

一体どうしてしまったんだろう。
この記事を追いかけるように、またも新たなデビューの話が。私としては本丸と目していた花澤香菜がデビューとか。ほんと、動きが活発になってきたなあ。
http://www.hanazawakana-music.net/
今回は「第一線」で活躍している人達の一覧。実は、これより前に「現在活動中の中堅アイドル声優」を書きたかったんだけれども、これがとても難しい。どの規模で、どの程度の人気で、どの方面で、今も活動しているのか、とか考えると、はっきり言って線引きが出来ない。層が厚すぎて、ひどく自身の嗜好に偏ってしまうし。
なので、そのような中間層はひとまず飛ばして、まずは第一線という事で。

紅白常連声優にして、東京ドーム声優。あえてネガティブな事から書くと、元々彼女の声に声優としてそれほど特色が無いと思える。彼女がここまで来れたのに、歌の力があったのは事実だ。しかし、声優の実力が無いかと言うと全然別で、今となっては技能的にも実に高いものを持っている。それは、彼女の努力の賜物。実際の所、彼女の歌の魅力も、声そのものの特色というよりも、努力によって生み出された声の厚みであったり、表現の深みであったりが大きいだろう。もちろん、それを成す為の努力に耐えうる「常軌を逸した体力」もあったろうが。それでも、彼女を形作っているものの本質を考えると戦慄を禁じえない。誰もが彼女のように「何者かに成り得る」と感じさせ、なおかつ、「絶対的に真似の出来ない」感動的な存在と言える。
NANA MIZUKI LIVEDOM 2006 -Birth-  日本武道館(2006/1/21)
※彼女のライブに参加したのは最初からではないが、それでももう10年にもなり、その道のりを思うと、感慨深いものがある。

00年代アイドル声優を代表する「やまとなでしこ」の片割れにして、自他共に認めるべき00年代随一のアイドル声優。天下一品のヒロイン声を持ち、彼女の演じた重要なヒロインは数知れず、00年代にして楽曲でも多くのヒットを飛ばしている。TVへの顔出しも彼女が先駆けとも言えるだろう。しかし、彼女はぶれることなく「まず声優」であり続け、アイドルとしても「アイドル声優」以上のものにはならない。最近では多くの脇役も積極的に演じ、その声優としての存在感は増すばかりだ。アイドルとしての輝きを失わず、その上で、なお泥臭いほどに声優であり続ける彼女を見るにつけ、ナンバーワンアイドル声優としての凄みを、改めて感じざるを得ない。
堀江由衣Second Tour 2006 堀江由衣をめぐる冒険(2006/2/8)
※最初、堀江由衣を生で見たとき「怖かった」w。常に観客を見つめる視線は、空気を読もうとするものなのだろう。見透かされている気がした。

ゆかり王国の御姫君。00年代アイドル声優を代表する「やまとなでしこ」の片割れ。実際には、彼女が評価されたのは結構遅く、ラジオによるエンターティナーとしてのパーソナリティと、地道なCD制作による歌唱力を少しずつ認知させた後に、本格的なライブ活動を開始して、結果として鉄壁とも言える堅固な王国を作り上げた。彼女の作り出す世界は、正に「ピンクの異空間」。甘い声と、ピンクのフリルと、絶妙な毒舌とで形作られている。特徴的な高音は声優として代えのきかないものであり、彼女自身も年々若返っている印象すらある。永遠の少女王国の姫、それがゆかり姫だ。
田村ゆかり Concert Tour 2006* fancy baby doll *  東京厚生年金会館(2006/5/4)
※彼女のライブは、その完成度の高さから、恐ろしいほどの世界観がある。このライブでは、脳内麻薬でトリップ状態に陥ってしまった。

今となっては、彼女のサクセスストーリーは一つの伝説となっているだろう。エイベックス声優として最悪のイメージからスタートを切り、路上ライブまでして未来への希望を繋いだ。それが、一度「ハルヒ」の長門役を得てから、正に劇的なシンデレラロードを歩む事になる。彼女の最大の武器は、その銀色に輝くような歌声と確かな歌唱力。また、自身の内面を形にしようとする、表現者としての意欲も強い。大物アーティスト然とした容姿も持ち合わせる。とは言え、彼女のパーソナリティや声優としての特色は「残念なくらい」wの癒し系で、ファンはそのギャップに魅了される。今では上記「御三家」に追いすがる存在となっている。
茅原実里バースデーライブ LOVE LIVE2006 恵比寿LIVEGATETOKYO(2006/11/18)
※ただ「長門の声優」を見に参加したライブ。それが、後に彼女にとっての伝説的な日になるとは、その当時思いもよらなかった。

非常に涼やかで切れのある声を持ち、その煌びやかな声を使った歌の完成度も非常に高い。声優として主要キャラに顔を出すほどなのに、歌でも数多くのタイアップ曲を提供する。声優として、そしてアーティストとして、共にオーラを感じさせる、正に声優界のカリスマと言える存在。先ごろ結婚を発表し、そのアーティスト的な立ち位置のためか、概ね祝福として受け止められたようだ。しかし、少し意地の悪い言い方をすると、彼女の人気がこれからどうなるのかが、「声優の結婚」というものの、一つの試金石になるかもしれない。
坂本真綾 15周年記念LIVE「Gift」 日本武道館(2010/3/31)
※やはり、彼女のアーティスト的な立ち位置からか、どうしても活動のペースが合わなくて、なかなかイベントには参加できていない。

上記5人と比較すると、大規模化していないのだが、それでも、その息の長い人気は一線アイドルとして評価すべきだろう。その人気の形は、なによりファンの支持の厚さであり、その源泉は彼女の人格にある。開放的でフレンドリーな「ちゅーりっぷ王国」の姫として、小国ながらもピンクの王国を統治している。その上で、「アホ声」と言われる突き抜ける高音と、ロックを掛け合わせた楽曲は、「バンビポップ」として常に熱いライブを約束する。世に流行るUOは、彼女のファンの活動の影響が大きい思われる。初めて彼女のライブに訪れた者は、きっとその光景に驚くことだろう。
The Great Bambi Pop show 新谷良子「空にとける虹と君の声」発売記念イベント 石丸SOFT 2 7Fホールイベント(2006/11/23)
※未だに、彼女のファーストアルバムイベントのファンの熱気が忘れられない。あれで声優ライブの「熱さ」を知った、と言って良いかも。
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今回はこの6人。武道館声優5人+1みたいな。挙げてみると、今第一線で安定的に活躍できているアイドル声優は結構少ないと言えるのかもしれない。これに加えて、前回挙げたスフィアくらいだろう。今回挙げたのはほぼ10年選手だが、いかに「年齢の無い」アイドル声優と言えども、このように続く事は大変なことと思える。
やはり今は、スフィアだけではない、新しい力が求められているはず。最近のデビューの波が、後の確実な力になってくれる事を、大いに期待したいものだ。