声優アワード2011の女性声優について

やはり、声優オタとしては、こういうのに一言いいたくなっちゃうよね。特に、最近はアイドル声優の事とか沢山書いてたし。まあ、本当の声優オタではなくて、最下層の萌え男オタだから、男性声優についてほとんど判らないし、所属事務所とか面倒な側面なんかもどうでもよい。女性アイドル声優に対する視点でしか語れないけれども。

  • 主演女優賞

初のホールインワン受賞である悠木碧。まあ、これは「仕方ない」よね。あまりにも「まどマギ」が突出しすぎていた。実際の所、碧ちゃんは昔から主役を幾つもやっているし、2011も沢山の主役を務めている。その点では、取ってみると充分その貫禄を感じさせる。これは、誰もが納得と言ったところなのではないだろうか。
けれども、実は、個人的な感覚として、彼女には「まだ取ってもらいたくない」という気分が強いんだよねえ。いや、碧ちゃんの事は好きだし、応援もしているけれども、なんというか、「まだ早い」と思ってしまう。
彼女の声優としての資質は、なによりその演技力にあると思う。小柄な体から出る高い音域を基本とするけれども、それに留まらずに、非常に技巧を凝らして、様々な声色を使い分けている。それがどの役にもぴたりとはまる演技であり、誰もが唸らざるを得ない。
ただ、その技巧を凝らした演技が、時に自然さを超えてしまう部分がある。これは技巧派声優にはありえる部分なのだけれども、そういう部分、いわば「味」を感じさせる演技をするのは、もっと自身の声の魅力を十全に引き出した後でやって欲しいんだよね。既に今、「悠木節」とか言われているようなのだけれども、それって、ややもすると「小さくまとまった演技」になりかねない。なんだか、勿体無い印象を受けてしまう。
アワードとか取ってしまって、求められている演技がこれだと固まってしまうと、この受賞が逆に彼女を縛りかねないと、少し心配になってしまう。認められた演技の質と彼女の若さがアンバランスで、こんな事を考えてしまう訳だ。
まあ、非常に理知的な彼女の事、自身の資質についても充分に理解しているだろうから、この賞を力に換えてくれるとも思うのだけれども。

これは嬉しかったなあ。加藤英美里は個人的にも今一押しの人なので。
実際には、助演というと本当に沢山の人が対象になるから、とても厳しい選択だったと思うのだけれども、ある意味、この年最も印象に残ったキャラクターQBを演じた声優として、納得の受賞だと思う。
思うのだけれども、彼女がその力を発揮しだしたのは、結構最近の事だと思う。きっかけはバカテスの秀吉で、男の娘をやった事が大きかったんじゃないだろうか。
元々けんの強めの高音を持っていて、かがみとかのツンデレなど得意とする人だったけれども、少しだけもっさりした印象だった。けれども、男の娘の低音を演じた事によって、演技で醸しだす魅力に目覚めた感じ。なんだか、この人の演技を聞きたい、という気分にさせてくれる。これからも良い役を沢山やって欲しい人だ。
ついでに、彼女はアイドル声優としても活躍しているから、この賞によってその活動がさらに活発になってくれると、本当に嬉しい。

  • 新人女優賞

茅野愛衣については、もう何もいう事は無いよねw。誰もが納得というか、彼女以外選びようが無い。下手をすれば、新人賞と主演を共にとっても良かったくらい。
年齢はそれなりだけれども、これで本当にデビューして1年程度だという、本当の意味での新人なのだから、凄いとしか言いようが無い。まあ、将来の主演候補だろう。
で、「問題」なのが三上枝織だよねえ。これは少し物議を醸すかもしれない。
いや、別段彼女が取っちゃいけないというわけでは無いし、新人二人を選ぶとしたら、彼女は適任だと思う。個人的にも、彼女の受賞自体は嬉しい事だと思っている。
けれども、「彼女を選ぶ」というよりも「ゆるゆりを選ぶ」のが適当、というのが正しいと思える。
出演の質からいっても、ゆるゆりは「ごらく部」の4人が揃ってメインだったし、歌の展開も「七森中☆ごらく部」として、4人セットで話題になっていた。それなのに、受賞は彼女一人。これは本人にとっても結構厳しい立場なのじゃないだろうか。彼女、声優としても4年目らしいし、それまで芽が出なかったことを思うと、他の新人さんにも申し訳が立たないのじゃないだろうか。
なんで、七森中☆ごらく部の4人に賞をあげなかったのだろうと思わざるを得ない。別に個人じゃなくちゃいけない、というわけでも無いんでしょ?ST☆RISHとかが受賞した歌唱賞と同じで。
これは、もう少し配慮が欲しかったなあ、という感じかも。

  • パーソナリティ賞

これも嬉しかった。井口裕香も最近の活躍が目覚ましいので、実際には声優としての賞が欲しい所なのだけれども、彼女の場合はこういった面でも力があるので納得と言える。声優としての活躍も加味した上での受賞だと思っておこう。
早口の達人で、こむちゃにおけるDJとしての活躍もあるし、自身の冠番組も好調だし、作品のラジオパーソナリティとしても積極的だし、まあ、文句なしの受賞だろう。
彼女、純正の声優としてかなり若い頃から活躍していて、キャリアもあるのだけれども、結構若いんだよねえ。もっともっと自分自身を売り出す活動をして欲しいなあ。

  • 特別賞

一つだけ第2群から。川上とも子が受賞した。
もう、納得というか、当然だと思うのだけれども、なんというか、この賞ではなく、ちゃんと主演とかで取って欲しかったよ。この賞でしかもらえないことが残念でならない。嬉しいけれども、やはりやり切れない。
けれども、「おめでとう」という言葉を贈ろう。
・・・
今年の選定は、正に「話題作」から選ぶという事に主眼が置かれていたと思う。賞が発足した当時は、やはり賞の権威とかも高めたいので、単なる話題ではない、少しキャリア面も考慮したいという側面もあったかもしれないけれども、賞が定着してきて、純粋に本来の目的が行使できるようになってきたと言えるのかも知れない。
まあ、こればかりは運とかが左右するから、これが声優としての能力評価とか序列とかには直接関係しないと理解する必要があるのだろう。