地球防衛軍は何の目的も持たない烏合の衆なのか 〜輪廻のラグランジェ〜

このアニメの最大の謎が「移動型地球防衛前線基地ファロス」なるものだろう。一体彼らは何を目的に動いているのか。まさか、「少女にロボットに乗せる事」だけが目的じゃないよね。
彼らは、地球を守る為にロボットに乗って欲しいとまどかに依頼する。事実、地球には異星人のロボットが襲撃してくる。しかし、実際にはその襲撃ロボットは、少女のロボットをのみ目的にやってきた存在だった。その少女のロボットは地球を破壊するほどの暴走エネルギーにもなるかもしれないという。なので、襲撃者たちの目的は、少女のロボットを破壊する事だという。で、それは大変ということで、防衛軍は暴走ロボットを封印することにした。
・・・もう一度聞くが、この地球防衛軍は、一体何をしたいのだろう。
どうも、この暴走ロボットを復活させようとそそのかしたのは、やはり異星人だったようだ。ならば、なぜ防衛軍は彼らを信じ、後から来た異星人を単なる襲撃者だと認識したのだろうか。だいたい、最初の異星人が地球に求めた事や助言した事は何?全く明かされていない。なので、この地球防衛軍の本質、つまり他の異星人が来たときどう対応するべきか(これって単に他人の戦争に巻き込まれただけだよね)などが、全く不明瞭だ。
こんな、無責任な防衛軍によって地球の安全が左右されていているのかと思うと、ぞっとする。そんな組織に、疑問も持たずに付き合っている主人公や登場人物を見ると、「馬鹿なの」としか思えない。
このバカにされた感覚は、そのまま作り手が受け手に対して持っている感覚と同じと思う。
目の前に少女を並べて、適当に半裸にしたり、なにやら悩ませたり喜ばせたりしたら「勝てる」とか思っているのではないだろうか。「受け手を侮るのも大概にしてほしい」という気分だ。
・・・
とは言え、これで売れたりするのだろう、とも思う。そう言ったニーズもあるし。なにより、アニメ制作、つまり作画や声優の演技とかはとても素晴らしいので、それだけでも見たい、買いたいと思える部分はあるだろう。
けれども内容が無い。「物語」という作品の中核がこの様では、認められる規模も当然狭くなるだろう。
折角、ロボットモノ、宇宙戦闘モノを大きな金を使って描こうというのだから、もっと真摯に、誠実に、志を高く、作品作りをして欲しいものだ。
あー、こんなの書きたくないのに嫌な文を書いちゃったなあ。