声優のパブリシティ権行使の方法は見直すべき

先日、ヤフートピックスにこんな記事が載っていた。

  • 顧客満足度につながる新たな試み 「録音・撮影OKライブ」の是非

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130215-00000339-oric-ind
これに関して、以前から声優イベントについても気になっていたことがある。
声優イベントにおいて撮影、録音はご法度だ。まあ、そのこと自体は良いだろう。しかし、そのために大規模アニメイベント内で行われる声優ステージでも、周りを囲って完全に外から見えなくするなどの万全の体制をとっていたりする。
以前、こんな記事を書いたことがある。

  • 大規模イベントのステージは誰の為にあるのか

http://d.hatena.ne.jp/crow2/20120401#1333248407
もちろん、外部観覧スペースに観客が沢山集まって危険だから、という判断もあるだろう。しかし、観覧スペースをある程度広くすれば、特に混乱することがないことは、他の今までのイベントでも証明されている。(TAFで混乱したこともあるが、それはスペースが極端に狭かったときだけ)
声優イベントでは、本来声優が顔出しNGが主流、ということを理由にか、撮影行為に過敏で、特に厳しい体制を敷いているように思う。その法的根拠として、パブリシティ権を持ち出したり。
しかし、それが最近の大規模アニメイベントの魅力を半減させている気がしてならない。特に、昨年から開催されているアニメコンテンツエキスポについては、この事を強く感じた。チケットを買っても1/10の確率ぐらいでしか当たらない声優ステージは、イベント会場から完全に隔離されていて、当たらなければ全く見ることが出来ない。ステージに結構広いスペースを取っているイベントだというのに、普通にチケットを買っただけでは、ステージを目的にイベントに参加する意味がほとんど無い。
実際には、そのステージに沢山参加している者も居る。けれどもその大部分が、仲間内でチケットを大量購入したり、ネットオークションを駆使するイベンターに占拠されていたりする。場合によっては「○ヤ」印のダフ屋が絡む事もあるだろう。完全に隠されたステージだからこそ、ファンの参加したいという意識が過熱し、そこにつけ込む不純な動機の者が群がってくるという構図だ。実に不健全だし、そんな事までして参加したくないし、関わりたくもない。
本来、イベント内のステージは、ただただ宣伝の為にあったはず。なのに、そこにダフ屋的な利権が絡む事で、本来の目的から大きくそれている気がしてならない。正に、本末転倒だ。
今の声優は、以前よりもっと開放的だと思う。顔出しNGなどまるでなく、より自分を売り出そうとしている、顔出しOKの声優が大半ではないだろうか。声優という存在自体が、より幅広い活動をしている。新たな可能性を持ってきている。そんな時代に、旧態依然とパブリシティ権を意識しすぎ、むやみな囲い込みを行うのは無意味だろう。
イベントの意味を見直し、コンテンツの有効活用を検討し、声優という存在の今のあり方を考えてみれば、もっと違う考え方が生まれるのではないだろうか。
今年のACEも、前回と同じような体制になるのだろうか。もしそうならば、折角そこに魅力的な「声優ステージ」というコンテンツがあるというのに、それをイベントの魅力に活用出来ていないに等しい。「コンテンツ」エキスポの名前倒れというものだ。
(抽選チケットに、魅力的すぎるコンテンツを詰め込むのも問題なんだよなあ。ライブとかは、別枠有料でホール開催すればよいと思う。・・・これって、先の電撃祭のスタイルだよね。)