プリティーリズム・レインボーライブ エーデルローズターンに入ってからの展開が熱すぎる

このレインボーライブシリーズ、どうにもビミョーな展開だ。と言うのも、主人公側のなる、いと、あん達三人のキャラとしての魅力があまり見出せないから。
なるは幸せ一杯の家庭に育ち、素直だけれども流されやすく、恵まれた感性の持ち主の様だけれども独自性が無い。云わば全くの子供で、いつもふわふわとしていながら何故か最後には美味しいところだけ持って行ってしまう。
いとは音楽に対する情熱はありそうだが、酷く利己的で他人の迷惑を一切考えない非常識人。あんは逆に学級委員長でクラブの部長と色々しっかりしているが、他人に自分の正義を押し付けるところがある。
とにかくこの主人公三人の性格があまりに酷く、それ故にその「報い」を受けるべきシーンもあるのだが、実際には、彼女達は何故か他が真似出来ない「プリズムライブ」という超常の技が出来てしまうので、あまり酷い事にはならない。こんな理不尽な主人公がのさばっている展開はどうにも見ていて辛くなる。
ところが、2クール目から状況がまるで変わりつつある。
というのも、2クール目の真の主人公は、実際にはなる達ではなく、ライバルとされているエーデルローズの3人と言ってもよいだろう。そして、描かれるこの3人の心の軌跡がとにかく熱い。つまり滅茶苦茶感動的で、面白い。
まず描かれたのは女王様キャラ蓮城寺べるの腰巾着ともいえる小鳥遊おとは。とても気弱な性格だが、他人に対する気配りは人一倍で、べるの優しさに触れたことから彼女に付き従う為にいかなる努力も惜しまない。彼女の実力が高いのも、元々のメルヘンなものに対する感性の高さに加えて、べるとの時間を大切にしたが故かもしれない。しかし、人気の上でべるに匹敵するほどの存在になってしまったが故に、深く慕うべるから不興を買う結果となっしまう。
そんなおとはが、自分の内なる感性とべるへの忠誠心とを選択する展開や、べるから避けられつつも誰よりも深く彼女を理解する存在として献身的に行動する様子などがとにかく熱い。涙無しでは見られない。
次の森園わかなは、軽くてちゃらんぽらんな性格に思えるキャラだが、実は転校の多い家庭の事情から、元々は真面目で大人しい性格だったらしい。彼女が何故今の性格になったのかはまだ不明だが、どうやらあんと関わりがあるようだ。そんな彼女は、その軽そうな性格から自由に技を出しているようでいて、実は結果を出すために自分自身をセーブする癖があったようだ。しかし、あんと共に過去に関わりがあったらしいカズキの指導により自由な演技を獲得する。カズキとあんとの三角関係とともに、今後の展開がとても気になる状況だ。
そして、蓮城寺べるだ。エーデルローズトップの実力にして、現状では天才プリズムスター天羽ジュネを継げる唯一の存在とすら目されている。非常に高慢な態度を取るが、その裏には努力と信念に基づいた確固とした実力があり、逆にそれらが無い存在に対しては容赦がない。なる達の天敵的な存在だが、べるの立場からすれば立派な理由があると言えるだろう。
べるはそんな完璧な存在の様でいて、実はその立場を維持する為にかなり無理をしているのかもしれない。その厳しさは余裕の無さなのか、彼女は元々泣き虫で、常に完璧を求められる立場に立たされ、それを務めようとするか弱い存在とも言える。そんな彼女がおとはという半身を失い、なる達の超常の技「プリズムライブ」の追い上げに晒され、今後どのように変わっていくのか目が離せない状況だ。
第2クールのOPを見るにつけ、そこで描かれているのは実際にはなる達よりもエーデルローズ組のドラマであろうと思っていた。それが正に本編の中でも実に熱く展開している。今後、彼女たちにもペアともが来たことから、更なる展開が用意されているだろう。注目して行きたい。
そして、本来の主人公であるなる達だが、彼女達についても第3クール以降でも良いので「応援したくなる」展開を期待したいものだ。そうじゃないと、ずっとエーデルローズ三人組を応援することになっちゃうよ。