プリティーリズムの統合世界を夢想する 〜劇場版 プリティーリズム・オールスターセレクション プリズムショー☆ベストテンを見て〜

ちょっと映画のネタバレしちゃうかも。
劇場版プリリズは、今までのプリリズシリーズ三作品の総集編的な作品。なので、三作品を並べて見るちょうど良い機会となり、そのため以前から気になっていた事を改めて考えさせられた。
それは、第1作ADと第2作DMFの世界は同じだとして、第3作RLはどういう関係かということ。
基本的には別世界、つまりは平行世界という事なのだろう。それを束ねるのがりんねの居るプリズムワールドで、そこは妖精たちのいる場所でもある。
しかし、そのプリズムワールドがどうして出来たのか、と言う謎は残る。衣装を力に変えてプリズムショーを通じて世界に幸福を分け与える世界。非常に恣意的な精神世界と言える。めが姉ぇの存在や衣装陳列の様子からすると、人の手が入っているとしか思えない。
ある時、人が精神世界に直接関与するシステムを作った。それが仮想空間の拡張認識機能を持つプリズムショーシステム。もしかしたら、最初は単に仮想現実をショーに活用する目的でだけで作られたのかもしれないが、実際には精神世界と繋がり、人の持つポテンシャルすら向上させる機能を持っていた。
そして、このプリズムショーシステムによって人は精神世界と繋がっている為、その精神世界を認識するときは、プリズムショーに特化した異世界として認識することになっているのではないか。つまり、このプリリズ世界で認識されているプリズムワールドという異世界は、ある意味プリズムショーによって作られているのではないか。
そして、プリズムワールドはそのシステムによって人間界とかかわりを持つことが出来るようになったことで、平行世界へも干渉し始めているのではないか。
では、その最初にプリズムシステムを作ったのはどの世界なのか。そのオリジナルの世界こそが、あいら達のAD、DMF世界なのではないか。
なぜ、そのような事を考えるのかというと、AD、DMF世界ではプリズムワールドは認識されていないにもかかわらず、特異な精神的な能力の存在が確認出来ること。それはプリズムスターの活躍で回を重ねる事により、より特異な現象に発展している。つまり、物語の中で異世界の創造される過程が描かれており、この世界こそがオリジナルという見方が出来るかもしれないと思えるから。
対して、RL世界では既にあるプリズムワールドと、その干渉を受けた世界の崩壊の危機が描かれており、その世界がいくつもある世界の一つであることが判る。
このAD、DMF世界とRL世界の感覚は、例えていうと、川原礫作品のソードアートオンラインアクセルワールドの世界観に近しい。あれも、ゲーム世界という認識拡張システムが、実は精神世界と直接関係していくという物語であり、一つは世界創世の物語、もう一つは世界の成り立ちを再発見する物語になっている。
ともあれ、劇場版の中で行われたプリリズ楽曲のベストテンの発表を見ていて、特にそのベスト3については非常に得心した。(ここからさらにネタバレせざるを得ない^^;)
第3位のあいら。彼女こそプリズムワールド創世期における人間界最高のプリズムショー適合者だったのだろう。彼女の力があったからこそ、プリズムショーが高次の世界にまで辿り着くことが出来たと言えるのかもしれない。
そして第2位のりんね。彼女はその高次の世界プリズムワールドの象徴的存在。ある意味あいらが生み出したものであり、同時に全てのプリズムスターの具現化でもある。彼女の「gift」がこの位置にくるのは正に妥当だろう。
そして第1位は、オールスターズの「You May Dream」。この歌こそ、プリズムショーが世界の頂点を極めた時の物であり、同時にプリズムワールド創世の時そのものだったのだろう。これ以上の歌はプリリズ世界では有りえないといえる、世界を象徴する歌。当然の結果と言える。
・・・
それにしても、これからプリリズの物語はどの方向に向かっていくのだろう。
現在放映中のRLで、このプリリズ世界の輪郭が見え隠れしてきた。こうなると、より明確な、プリリズ世界の核心に迫る様な物語を描きたくのではないだろうか。それこそが、オールスターセレクションとして、プリリズ世界を中心から描く物語になるのではないか。
劇場版を見ながらそんな事を夢想し、次のシリーズにより期待が高まったりして。