最近のアイカツについてだらだらと書くよ スターライト学園とドリームアカデミーの学園対決について

  • アイカツ! : 売り上げ140億円に急成長 大ブームの裏側

http://mantan-web.jp/2014/03/09/20140308dog00m200003000c.html
もうプリキュアを超える数字をたたき出しているのか。すごいね。
実を言うと、最近のTVのアイカツはそれほど「面白くない」。いや、面白いんだけれども面白くない。
前から思っているのだけれども、アイカツは大人が子供に作っている非常に抑制された作品だと思う。よく子供向けアニメで大人のオタクに注目されたりするアニメとかあるけれども、大概が「大人も楽しめる要素が混じっている」事が多い。それが子供向けを超えるような内容だったりすると、より注目度が上がったり。プリティーリズムのドロドロ展開とか「それ子供にはキツ過ぎるだろー」とかね。セラムンだってプリキュアだって、当初はそういうところが話題になったり、子供にも伝わる物語のエネルギーになっていたと思う。
アイカツにもそういう展開があった。トライスターの展開とかは正にそうだったのだけれども、それが子供たちからどのように見られたのかは一視聴者として良くは知らない。けど、ちょっと子供向けとしては重たすぎるという判断があったんじゃないのかな。その後は非常に抑制された物語ばかりとなっている。
そして、2期になるとドリームアカデミーが登場し、新たなキャラが登場し、それをおもちゃ販促に繋げていかなくてはならないという、より大きな縛りが出てきている。
そうなると、もう色々がんじがらめである事が良く判る。突飛な発想をしているようでいて、実は子供が楽しめそうなネタに終始したり。まあ、それでもその制約の中で少しずつやりたいことを進めているところが透けて見えたりして、それはそれとして面白いのだけれども、やはり素直に見ると子供向け過ぎて物足りない。
あまりに上手く行きすぎちゃったんで、少し守りに入っているのかもしれないなあとか思ったり。もう少し抑制を外して作ってくれると、大人の視聴者としては嬉しいし、思いがけないエネルギーに成ったりするのだけれども、、どうなのかな。成功している時はあまり無茶出来ないものだよね。
さてさて、そんな抑制された物語の中で少しずつ語られていたことが、昨今のフェス展開で透けて見えてきた。それはスターライト学園とドリームアカデミーの違いについて。
今まで、ドリアカの生徒たちは互いにセッションをしたことがほとんどないと言う事実。スターライト学園の生徒と競って同じステージに立つことは多くても、デュオやトリオを意識することは極端に少ないように思う。それって、二期のメインキャラである音城セイラが、まず勝負することを意識してステージに立っていることからも印象深くなっている。他のきいやそらやマリアもアイドルとしては自分の世界を確立していて、あまり他人とは交わらない印象が強い。プロデュースはするけどね。
対して、スターライト学園はどうかというと、スターライトの生徒も個性的なので個々では他と交わる印象は無いのだけれども、それでも互いの関係はドリアカよりもずっと深い印象がある。それは何故かと言うと、作品構造的に言えば、元々アイカツはスターライト学園内の物語とも言えたから、互いのエピソードが多くあるのは当然と言える。
しかし、それを物語的に捉えるとすれば、スターライト学園の校風として互いの関係を深める事を大切にしているということ。つまり織姫学園長の薫陶によるものと言う事が出来る。
対して、ドリアカのティアラ学園長はより放任主義だ。自身のやりたいようにやらせることをモットーとしている。
そして、その考えを影から支えている存在がいる。つまり神崎美月。彼女こそ、個人主義実力主義を象徴するような存在だった。そんな美月がスターライトを出奔し、ドリアカで何をしているのかというと、やはりスターライトで彼女が自分の思うように出来なかったことを放任主義のドリアカで行い、自身の考えの正しさを証明したかったからではないだろうか。
ここに来て、やっとこのアイカツが当初から提示しているテーマが、この2期で見え始めた。結局は、物語の発端は「マスカレード」なんだよね。
きっとあの二人は、ヒメの実力主義とミヤの精神主義と、互いの主義の違いによって分裂した。しかし、芸能の世界に残った織姫はミヤの精神主義に真実を見出し始めている。かつてのヒメに憧れている実力主義の美月は、織姫が目をかけるミヤの娘いちごを意識せざるを得ない。ついには、より自由に自身の主義を発揮出来る場を求めてドリアカに移ってしまう。
「マスカレード」の二人から始まった対決が、今はスターライト学園とドリームアカデミーという二大アイドル学校の、より大きな対決になっているという状況ではないだろうか。
そして、その対決の象徴とも言える人物が、いちごとセイラ。
セイラは、今回の学園対決フェスにおけるヘッドライナーの立場についていちごから示唆を受ける。それは彼女の普段の対決意識とは正反対の発想だった。にもかかわらずセイラはそれを受け入れることになる。
最近あまり大きな仕事をせず、どこか雲上人の気配すら漂わせているいちごなのだけれども、この2校の直接対決という大事な場面で、一つ上手を取ったと言う事になるのかもしれない。
となれば次はどうなるか。やはり、そのセイラの後ろに居る人物が直接出てこざるを得ないだろう。
まだフェス二日目もあるし、これからどうなるかは不明だが、今回の学園対決により物語が動き始めたのは確かだ。
まあ、子供向けの抑制された展開になることは今までの堅実な推移から明らかなので、ゆるゆると追い掛けて行きたい。