声優のアーティスト活動について 〜アーティスト性とキャラ性と声質と〜

最近、声優のアーティスト活動が富に頻繁になってきていると思うのだけれども、それぞれの方向性はやはり様々で、その戦略を見ているだけで面白い。そんな個々の方向性について、一アイドル声優オタクとして普段から思っていることを書いてみたり。まあ、所謂オタ同志の駄弁り、与太話そのもの、チラ裏以下の内容と捨て置いて下さい。

  • トップスター編

水樹奈々…元々歌手志望でその練り込まれた歌唱力は尋常じゃない。典型的な「アーティスト優先・キャラ追随型」。彼女が注目されたのはまずはその歌唱力であり(愛らしい容姿と真面目な性格もあるが)、それが主題歌、挿入歌に活用出来ることを認識されて爆発的な人気を得た。なのは、DD、シンフォギアと、アニメと歌のクロスオーバー作品が成功している事がある意味生命線。どれも次の展開を期待されるほどなので、暫くは安泰か。
田村ゆかり…元々独特なほどの少女らしいキャラ声と非常にフェミニンなアーティストとして強固な世界観を持つ。その両者は実は必ずしも重なり合うものではないが、どちらも大切に育てた事によって繋がり合い、今では、これこそがアイドル声優の典型と目されるほどの世界観を確立している。言ってみれば「アーティスト・キャラ両立強制融合型」。ある意味唯一無二の存在として、アイドル声優の至宝とも言える存在となっている。
堀江由衣…その声はヒロインをやらせたらピカイチ。アイドル要素も併せ持ちアイドル声優としての人気を基にアーティスト活動も当然のようについてきた。典型的なアイドル声優として、「キャラ優先・アーティスト追随型」。どうしてもアーティストとしての独自性の打ち出しが弱くなりがちだが、かつてはそのことこそが声優への貢献度の証とされていたので、逆にそれ以上の事は出来なかったとも言える。一昔前のアイドル声優はこういう立ち位置が主だったように思うが、アニオタとしてはこういった存在こそを大切にしたいとも思っている。
茅原実里…彼女が声優デビュー当時行ったアーティスト活動が認められなかったのは、単に知名度の低さだけでは無かっただろう。長門のキャラソンの声質からアーティスト活動に光明を見出した。類稀なるその美しい歌声は根底にキャラ声も認識できる、言ってみれば「キャラ発・アーティスト強力展開型」か。元々のアーティストとしての素質も大きく一気に評価される事に。アーティスト性を高めてもキャラ性を失わないその独特な声質はやはり貴重なものだと思う。
坂本真綾…清涼感のある声質とセンスの良さから声優としてもアーティストとしても一般からの評価も期待され、結果として数字も着いてくることになった、いわばアイドル声優の域を抜け出た存在。その立ち位置も含めて「アーティスト優先・キャラ一般評価型」と言えばよいか。しかし一般評価の強みは声優アーティストとしての独自性の無さに繋がり、若干の脆さとなるように思う。

  • 中堅・新人編

伊藤かな恵…彼女の独特なハイトーンボイスもヒロイン声優として魅力的。本人にアーティスト意識が薄そうなそぶりもあり、典型的なアイドル声優的な活動となっているが、その声質の良さを前面に押し出す事で、残りのリソースをアーティスト性の補完に回している感じ。「キャラ優先・アーティスト補完型」と言えばよいか。この型は、云わば「キャラ優先・アーティスト追随型」を最近の時流に合わせて進化させる、ある程度声質の有るアイドル声優の活動の典型と成りえると思う。
竹達彩奈…彼女の声質も非常に魅力的。なのでその声質を活かして「キャラ優先・アーティスト補完型」を展開させても良い所なのだけれども、彼女のアーティスト活動はそのキャラ性に重きを置き続けており「キャラ優先・アーティスト追随型」を維持していると言える。それは彼女自身のオタク気質のキャラと相性が良く、良い判断だと思う。
悠木碧…彼女は特徴的な声を前面に押し出しそれをアーティスティックなところに繋げている。しかし、それはあくまで年若い声優としての資質によって行われているもの。「キャラ発・アーティスト強制補完型」と言えばよいか。非常に挑戦的な活動と言えるだろう。
花澤香菜…その活躍は現在のアイドル声優のトップと言って良いだろう。アーティスト活動も上手くいっている。その活動は一見キャラ性を排したアーティスティックなものだが、彼女の声質と声優としてのセンスによりキャラ性も色濃く残っている。いわば「キャラ発・アーティスト融合分離型」という複雑な捉え方が出来る。プロデュースの質の高さと本人の声優としての高いセンスの鬩ぎ合いによって維持される非常に高度な活動か。
戸松遥…声質の良さを前面に出し、アーティスティックにも寄り過ぎない「キャラ優先・アーティスト追随型」。
豊崎愛生…キャラ声から出発しているにも関わらず、そのアーティストセンスを生かして優先度を高めている「キャラ発・アーティスト優先型」。
高垣彩陽…アーティスト能力の高さが武器だが、キャラを残す事を意識している「アーティスト優先・キャラ一部温存型」。
寿美菜子…資質は典型的な「アーティスト優先・キャラ分離型」。立ち位置は「一般評価型」にも近い。
日笠陽子…「アーティスト優先・キャラ分離型」。人気声優としての立場を持ち、なおかつアーティストの実力がある者が活動を開始するとき、キャラ性を排除する傾向にある。
喜多村英梨…「アーティスト優先・キャラ分離型」。上記同様。
上坂すみれ…キャラ性を前面に出し、それでいて独特なアーティスト展開にもつなげている「キャラ優先・アーティスト独自展開型」。
小松未可子…彼女の心情的には「アーティスト優先・キャラ分離型」かもしれない。しかし、その男前な性格と演じるキャラが被り、少しだけ「キャラ追随」も残している。
田所あずさ…今のところ「キャラ優先・アーティスト追随型」だが、「アーティスト強力展開型」に行けそうな資質がある。
・・・
途中から簡略に。ソロライブとかの実績があって、今後も活動しそうで、雰囲気を知っている声優はこのくらいかな。レジェンド級は保留w。
なんだか類型の規則性が判り辛いが、実は自分でも明確には分からないw。ある程度感覚で。
典型的な類型を「キャラ優先→アーティスト優先」の順で並べると、「キャラ優先・アーティスト追随」→「キャラ優先・アーティスト補完」→「アーティスト・キャラ両立」→「キャラ発・アーティスト優先」→「アーティスト優先・キャラ追随」→「アーティスト優先・キャラ分離」かな。独特な表現も多いので、本当に適当だが。
「キャラ発」は、声質的にはキャラよりでありつつ、方向性はアーティストよりに逆転しているもの。
「アーティスト優先」が入ってくる声優のライブは、よほどのタイアップ曲とかが無い限り、アニオタとしては寂しい気分にさせられたり。
最も極端なキャラ優先を類型化すれば「キャラ優先・アーティスト分離型」となるのだけれども、それでアーティスト活動している人とかは居ないよねw。金朋とかが当てはまるかもしれない。
・・・いや、ほんと、自分が楽しいだけの書き込みだなあ(^^;。