魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st

アニメ 映画 なのは

まあ、お祭りだしね。初日に見ないと。
一見、まあまあの出来だったかな。大傑作！と言えるほどではないけれども、とにもかくにも「なのは」らしい出来だった｡普通に泣けたし。
バランス的には、劇場版を意識して爆音バリバリの戦闘シーンが惜しみなく投入されている。これがとにかく良いから、映画館で見るに値するものになっている。
ただ、その分一部足りていない点が。
この物語、「なのはとフェイト二人の物語」というべきものだけれども、メインヒロインであるなのは自身のことがあまり描かれていない。いや、彼女の視点から物語が描かれているから、なのはは全編登場しているのだけれども、そういう意味ではなく、なのはの「内面」が描ききれていない。
その分フェイトの方は追加エピソード（小説で描かれていたもの）があって、より深く描かれている。実際、ＴＶ版でもドラマを作っているのはフェイトのエピソードだから、その構成は正しい。けれども、映画全体を見ても何か欠けている、バランスがおかしい、と思える部分がある。それがなのはの方の描写。
これはなあ・・・、ＴＶ板でもうっすらと描かれているだけで「判る人だけ分かればよい」的な範囲にある描写だったから、劇場版でこうなってしまうのはある意味必然なのだけれども、逆に劇場版だからこそその部分をクローズアップして、なぜＴＶに誰もが深く思い入れしたのかという理由を知らしめて欲しかった。
劇場版では、物語構成上少しだけ「傷」がある。それはなのはが魔法の世界に入っていく事を家族にどう説明したのかが描かれていないという事。もしかしたら、これは上映時間の関係でカットされたりしたのかもしれない。それはＢＤで発売する時にディレクターズカット版として復活するのかな。けれども、例えば劇場で初めてなのはに接するような客に対してこそ、この部分は伝えて欲しい部分。
なのはの動機。それはフェイトと境遇は全く逆でも、全く同じ想いを胸に秘めていたという事。ほんの一瞬、意味不明なカットでだけ表され、ＣＭの１バージョンでのみ伝えられていた事。
やはり、これを描き、そしてフェイトのエピソードと併せる事で初めて、「なのは1ｓｔ」といいう「なのはとフェイトの始まりの物語」が完成するだろう。

それから、もう一つ気になっていた事がある。それは「変身シーン」ｗ。
これは、先日の田村ゆかりコンサートにて「ようじょの裸体」という言葉が出てきた事からわかっていた事だけれども、ＴＶ版を超える丁寧さで描かれていた。ＧＪ。ｗ
まあ、これがこの映画を一般人が見るものかどうかの分水嶺として捉えていたので、なんとも複雑な心境では有るのだけれども、「なのははなのはだった」という事をやはり良しとすべきだろう。これでこの作品は「俺達のもの」であり続けるわけであり。無駄に一般人に媚売って失速するよりは全然良い。それに案外厭らしい感じはしなかったし。

ともあれ、全国のオタクは沢山見てほしいなあ。戦闘がより激しさを増すＡ’ｓの劇場版も期待したいところなのだけれども、それに関する予告は無かった。堅実なヒットを作って、次回作につなげて欲しいものだ。