巨星の不在とステマ忌避の重たい空気

なんだか、最近アニオタ業界が不景気なような気がする。というか、雰囲気が悪い。
今まで、どんなに不作なシーズンだと嘆かれるような時期があっても、曲がりなりにも売れている作品が、一つや二つ継続していたものだ。しかし、「けいおん」という巨星も沈みつつあり、「なのは」も映画第二段が控えているものの失速気味だ。「化物語」は未だ景気が良いが、続編が作られ続けるというニュースは、状況の常態化として、喜びというよりも人々に平静さを与えることになった。
ならば、新しい作品はどうかというと、いま一つぱっとしない。いや、良い作品もいくつかあると思うのだけれども、それを受け止める方の空気が、どうにも重苦しいような気がする。
何故なのかと考えるに、結局「ステマ疑惑」が尾を引いているからでは無いかと思える。
何かを褒めればステマだと言われる御時勢。誰かが何かを褒めていること全てを疑ってかかる風潮。最新の巨星「まどマギ」の熱を一瞬で冷めさせた、悪しき観念だ。それどころか、自分が作品を楽しむこと自体も、誰かの受け売りかもしれないと、妙にシニカルな態度しか取らなかったり。
・・・なんとも情けない。そんなにも、自分が作品を楽しむ事に、人の目を気にする人が多いのだろうか。自分の価値観を信じられる人は居ないのか。
オタクとは、人から何と言われようとも、自分の好きなものに熱中する人種だったはずなのに。オタクがライト層として普及して、周りの目を気にする、誰よりもスタイリッシュにオタクライフをエンジョイする、とかになったから、こんなアホらしい風潮に振り回されているのかもしれない。
何はともあれ、このような風潮が、例えば売り上げとかにも影響して、本当のアニオタ業界の景気に影響を与える事にならないよう願いたいものだ。
そして、まずは、楽しいと感じたものは、他人の目などを気することなく、大いに楽しんでいきたいものだ。

とは言え、新作アニメの不振は、ある程度あるかもしれないなあ。
最大の目玉であり、私自身も大いに期待していた「アクセル・ワールド」があまりに普通すぎて、凡百の作品となっているのは大いに痛い。丁寧だし面白いのだけれども、人を引きつける+aがまるで無い。
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氷菓」の出来の良さは尋常ではなく、正に+aのある作品だけれども、これなどは、正に「京アニのアニメは褒めればステマ」という気配が感じられる。
氷菓 限定版 第1巻 [Blu-ray]

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売上数とかが出てからじゃないと語れない、みたいな重たい雰囲気が、今後も続くのかなあ。